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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第二百八十六話 色鉛筆その十一

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「結局はね」
「わかりやすいものね」
「中学の授業は大学出ている先生なら簡単な筈だよ」
 高校生から見ても方程式の一次とか素数とかそんなものだ、円周率にしてももう暗記すればわかることだ。
「高校でも大学でも勉強して教員免許も持っていて」
「それなり以上にわかっているわね」
「それだったらね」
 もうそれこそだ。
「教えることだってね」
「簡単な筈なのね」
「それがわからないとか」
 そうした授業をすることはだ。
「おかしいから」
「そこで難しい授業理解出来る自分頭いいとはならないわね」
「そんなの思えたら何か違うよ」
 はっきり言っておかしい。
「人として」
「そこまでのものね」
「うん、やっぱりね」
 僕が思うにはだ。
「難しいことを言ってたり書いてたりはね」
「真理じゃないのね」
「それでよくないよ」
 授業でもだ。
「というかその先生の授業ってそんなに酷いんだ」
「途中までは普通なのよ」
 香織さんはその人のことを思い出しつつ僕に話してくれた、その間も色鉛筆のセットはその手の中にある。
「それがよくエックスをワイとしてって言うわね」
「数学の授業の定番だね」
「何か黒板の方向いて書いていくけれど」
 これも数学の授業の常だ。
「ただ言ってるだけでね」
「人に教えるものじゃないんだ」
「そうだったのよ」
「それでわからないんだ」
「だから実家継げって言われたのよ」 
 教師を辞めろということだ。
「そうね」
「人に教えずに自分で言ってるだけならね」
「わからないわよね」
「そんな授業わからないよ」
 僕は実際に受けたことがなくてもそう思った。
「それこそ」
「そうよね、今も先生やってると思うけれど」
「生徒からは評判悪そうだね」
「北海道の数学の先生で一番教えるの下手かもね」
「公立の中学でだね」
「そうも思うわ」
「本当にそうした人は他の仕事に就いた方がいいよ」
 生徒の為にならないからだ。
「先生辞めて実家継げって言われる位だと」
「それを愛想で言われて笑ってるなら」
 自分の問題に気付いていない何よりの証だ、鈍感というか無神経なこともこのことから伺えると思う。
「成長とか改善の見込みないしね」
「だからよね」
「他のお仕事の方がいいよ」
 本当に生徒の為にはだ。
「迷惑かけるからね」
「他のお仕事ね」
「それが何かはわからないけれど」
 それでもだ。
「その方がいいよ」
「先生以外のお仕事ね」
「うん、とはいっても公立の先生って酷い先生多いっていうけれど」
「北海道もよ」
「関西は有名だけれどね」
 全ての府県でだ。
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