ターン32 鉄砲水と古代の叡智
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まま終わってくれるならそれが一番いいんだけども。
しかし残念ながら、というべきか、そうでなきゃ面白くない、というべきか。またしても怒りを呑み込んだらしい徳川が、次の手札へと手を伸ばした。
「私のデッキをただの【先史遺産】だと思ってもらっては困ります。しかしここまでの流れに関しては、心から称賛してあげましょう。少々私の方も、無名の馬の骨だからと手を抜きすぎましたからね」
「負けるやつは大体みんなそう言うのさ、手を抜いてたってね」
「では、そのジンクスを打ち破る最初の男としてこの私が名を残してみましょう……魔法カード、化石融合−フォッシル・フュージョンを発動。融合召喚を行う代償として私の墓地の岩石族モンスター、先史遺産クリスタル・ボーンと君の墓地のレベル4以下のモンスター、幽鬼うさぎを除外する……!」
「化石融合……!」
脳裏をよぎる、かつてデュエルアカデミアにいた男の姿。だけど目の前の男は、彼とは違う。わかっている。
そして墓地のモンスターが素材となり、母なる海へと産み落とされたのは恐竜と人間の骨格がないまぜとなったかのような骨の体に骨の鎧を着こみ、骨の槍を手甲に装着した戦士の姿だった。
「かつて栄華を極めた騎士の末裔、薄まり穢れどもその高貴な血の片鱗で敵を貫け!融合召喚、新生代化石騎士 スカルポーン!」
新生代化石騎士 スカルポーン 攻2000
「バトルだ。当然、スカルポーンでスパイダー・シャークにな」
槍を掲げたスカルポーンが海底をその両足で力強く踏みしめ、いまだエネルギー波の影響で動きの鈍いスパイダー・シャークへと迫る。そしてスカルポーンは、モンスターに対し毎ターン2回攻撃の能力を持つ。フォーク=ヒュークで相手モンスターを無力化し、化石融合の爆発力でライフを削る……あのデッキのコンセプトは、おそらくそういうことだろう。だけど、僕だってただやられるためにはるばるこんな海の中まで来てやったわけではない。
「モンスターの攻撃宣言時にスパイダー・シャークの効果発動、オーバー・レイン!オーバーレイ・ユニットを1つ使い、相手モンスター全ての攻撃力を1000ダウンさせる!」
No.37 希望織竜スパイダー・シャーク(2)→(1)
新生代化石騎士 スカルポーン 攻2000→1000→No.37 希望織竜スパイダー・シャーク 攻0
清明 LP4000→3000
衛星のように周りを飛んでいた光球がスパイダー・シャークの口元に向きを変え、まともに動かない体でそれに食らいついたスパイダー・シャークがその力を一時的に解放する。噴出する純白の糸が四方八方に張り巡り、スカルポーンの体を、槍を絡めていく……しかし、その動きを完全に封殺するには至らない。直後、スパイダー・シャークが受けた槍の一撃と同じ痛
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