ターン32 鉄砲水と古代の叡智
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みるみる抜けていくのが感じられた。救難信号を出したのは見ていたが、だからといってこんな海のど真ん中に助けが来るまでにはまだ時間がかかる。その間ずっと1人で浮いていることのリスクに、今更思い至ったのだろう。
そこからは、特に語ることはない。やはり知っていた霧の抜け方を聞き出し、この手のことには適任のチャクチャルさんに嘘をついている様子がないか確認してもらい……この野郎見かけによらず粘りよる、案の定でたらめ教えてやがったので潜水艇の残骸に本気でとどめを刺そうとすると、今度こそようやく観念したのかやっと正しい道順を教えてくれた。
「じゃ、行くとしますかね。頼むよガメシエル、糸巻さんとどっちが早く着くかな?」
再び霧の中へ踏み出そうとして、少し振り返る。ま、いいか。あの様子なら、救助が来るまでは持ちこたえられるだろう。なんだか浦島太郎にでもなった気分になりながら、甲羅の上でまるで見えない前方を見据えてのんびりと進みだす。
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