ターン32 鉄砲水と古代の叡智
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その体が吸い込まれ、その上からとどめとばかりに溶岩が降り注ぎ……ようやく噴火が収まったそこには、石像と化したヒレの先端と頭部。それに背中の一部だけを露出したスパイダー・シャークの成れの果てが、ただ埋め込まれているだけだった。
「スパイダー・シャーク!」
「なんだ、これが返して欲しいですか?いいでしょう、返してあげますとも。カオス・アトランタルの更なる効果を発動、パニッシュメント・ゲート!コストとして支払うのはこのカードのオーバーレイ・ユニット3つ、及び自身の効果によって装備したNo.の全て。これらを墓地に送ることで、100に書き換えるのさ……君のライフをね!」
『18600の「削り」だと……!?』
CNo.6 先史遺産カオス・アトランタル(3)→(0) 攻4300→3300
さしものチャクチャルさんも、こんな桁違いな数値の変動は驚愕に値するものらしい。無論、僕だってそうだ。効果ダメージでも戦闘ダメージでもなく、数値そのものの書き換え。18700のライフを、100に。そんな無茶苦茶な効果が最後に控えていたのなら、儚無みずきの効果すらも通用しない。ライフを回復して守りを固めた気になる僕の姿は、徳川の目からすればさぞかし滑稽に見えたことだろう。
思わず後ずさる僕の前で、カオス・アトランタルの火山に溶岩の鞭が一斉に吸い込まれる。不気味な沈黙、死刑宣告までのわずかな間ののち、山が文字通りに噴火した。海水による冷却をものともせずに赤熱する火山弾が、僕をめがけて無数に降り注ぐ。
『さすがに荷が勝つな。下がっていろマスター!』
言うが早いが僕の頭上、迫りくる火山弾の雨との間に半透明の巨大なシャチ、本来の姿を現した地縛神 Chacu Challhuaが立ちはだかった。その全身から濃い紫色のオーラが立ち上ると、こちらに向けて直撃コースで降り注いでいた火山弾が見えない壁に誘導されたかのように途中で向きをわずかに変えて数メートルほど離れた場所に着弾した。それでも視界が真っ白に染まり、爆音で何も音が耳に入らなくなる。砂煙と耳鳴りがようやく収まった時には、あたり一面に月面もかくやというほどにクレーターだらけの惨状が広がっていた。これを完全に捌ききるとは、さすがは守りと権謀術数の地縛神。
清明 LP18700→100
「わお……ありがとね、チャクチャルさん」
『少し過保護だったとは思うが、まあ念のためな』
照れ隠しなのかつれない言葉を残し、また引っ込んでいくチャクチャルさん。一方こんなことをしでかしてくれた徳川はというと、どうやら僕がまだちゃんと2本足で立てていることにご立腹だった。どうやらあまりの噴火の激しさに、うちの神様が直撃を防いでくれた様子は向こうから見えなかったらしい。
「なんだ
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