暁 〜小説投稿サイト〜
戦国異伝供書
第百四話 まずすることその十二

[8]前話 [2]次話
 氏綱が世を去ると氏康はすぐに北条家の主となった、すると彼は家臣達に対してすぐにこう言った。
「河越に兵を向けるが」
「さらにですか」
「下総の方にもな」
 この国にもとだ、家臣の一人松田憲秀に述べた。
「徐々にでもおな」
「兵を向けて」
「そしてじゃ」
「里見家からあの国を奪っていきますか」
「江戸の辺りを手に入れて下総への足掛かりを手に入れた」
 だからだというのだ。
「あの国にも兵を進める、わしもじゃ」
「出陣されますか」
「あちらにも」
「そうされますか」
「そしてな」 
 そのうえでというのだ。
「あの国も手に入れてやがてはな」
「上総もですな」
「あの国についても」
「兵を進められますか」
「そして安房もな」
 この国もというのだ。
「手に入れてな」
「そしてですな」
「さらにですな」
「兵を進めていく、だがそちらは二としてじゃ」
 今度は順番の話だった。
「第一はな」
「何といってもですな」
「武蔵ですな」
「河越の方に向かいますな」
「里見家よりも両上杉じゃ」
 この家だというのだ。
「だからな」
「そちらを先に進める」
「そうしてですか」
「両上杉家をですな」
「倒しますな」
「その様にする、そして政もじゃ」
 こちらもというのだ。
「身を据えてやっていくぞ」
「わかり申した」
「それではです」
「そちらにもです」
「力を入れていきましょう」
「まず戦の話をしたが」
 それでもというのだ。
「よいな」
「それよりも政ですな」
「政を先にしますな」
「まずは」
「その様にしますな」
「そうする、それでじゃ」
 だからだというのだ。
「力を蓄えるぞ」
「わかり申した」
「その様にしていきましょう」
「まずは政を行い」
「力を蓄えましょう」
「そうして政を行ってな」
 そしてというのだ。
「河越に、下総に向かうぞ」
「そうしましょうぞ」
「それで、ですな」
「やがてはですな」
「関東に覇を唱える様になる」 
 氏康の言葉は確かだった、そうしてだった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ