第七幕その十一
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「しかも僕の為の曲だったし」
「そのことも嬉しいよ」
「作詞作曲してくれて」
「しかもダンスまで踊ってくれたからね」
「それは何よりよ、ただね」
ここでつぎはぎ娘はこんなことを言いました。
「あたし一体これまで何曲歌って踊ってるかしら」
「ええと、少し待ってね」
ドロシーがスマホのネットでつぎはぎ娘の歌について調べて答えました。
「今で二九七八〇曲よ」
「それだけなの」
「ベーブ=ルースさんが外の世界におられた頃のヒット数の十倍位はね」
「歌ってるのね」
「そうなってるわ」
「そこまでなんて凄いね」
ジョージはそのお話を聞いて驚きました、他の四人も一緒です。
「三万曲近くなんて」
「僕なんか一曲も無理だよ」
「僕もだよ」
「それが三千曲近くなんて」
「凄いわ」
「そこまで7歌ってたのね」
自覚していない返事でした、つぎはぎ娘のそれは。
「そうだったのね」
「よくそこまで歌えるね」
「百年位歌ってたら普通じゃないの?」
「普通じゃないと思うよ」
「そうなのね」
「そして別に何とも思ってないね、君は」
「だってあたしは普通に歌うから」
そして踊るというのです。
「毎日ね、だからね」
「三万曲位はなんだ」
「何でもなくね」
それこそというのです。
「やってるでしょうし数を誇ってないから」
「そうなんだ」
「好きで歌って踊ってるから」
それだけだからだというのです。
「数を聴いてもふうん、でね」
「終わりなんだ」
「ええ、ただ今の曲もネットにあげたから」
それでというのです。
「皆に観て聴いてもらうわね」
「僕についての曲がそうなんてね」
「嬉しいね」
ピーターはここでまた笑顔になりました。
「それじゃあね」
「僕も視聴するね」
「是非ね、それとね」
さらに言うつぎはぎ娘でした。
「あたしこの旅の間もどんどん歌って踊るから」
「その歌とダンスもだね」
「僕は見ればいいんだね」
「そうよ、どんどん見てね」
まさにというのです。
「そうしてね」
「是非ね」
「楽しませてもらうよ」
「あたしはその気になれば」
その時にはというのです。
「何時でも歌って踊れるからね」
「じゃあね」
「期待しているよ」
「期待、希望、夢はいつもオズの国にあるものよ」
それこそとです、つぎはぎ娘は少し回りながらピーターに答えました。その声は軽やかなものです。
「だから期待していてね」
「そうさせてもらうね」
「本当にね」
ピーターはつぎはぎ娘に笑顔で応えました、そうしてです。
皆と一緒の旅を楽しむのでした、彼のはじめての旅は楽しくはじまりました。
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