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おっちょこちょいのかよちゃん
70 訪れた男
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もし自分が笹山と二人きりだったら、一緒にヨーヨー釣りを楽しんでいたかもしれないのにと思い、落胆した。
「藤木、お前もヨーヨー釣りたいのか?」
 杉山が質問する。
「あ、いや、そんな事ないさ!そんな女子の遊びなんて・・・」
 藤木は慌てて誤魔化した。しかし・・・。
「ねえ、ヨーヨー釣りやってみる?」
「うん!」
 両親と遊びに来た男の子がヨーヨー釣りをやろうとしているのが見えた。
「ヨーヨー釣りに男女関係ねえと思うんだがなあ」
「い、いいんだ。僕は。君達もやろうとするつもりないだろ?」
「ああ、俺達もさっきまでゲームしてたからな・・・」
 杉山は藤木は素直じゃないと思いながらもそれ以上は追求するのを辞めた。
 女子達は楽しくヨーヨー釣りを行った。皆一個ずつヨーヨーを釣って満足気味だった。
「それじゃあ、そろそろお腹空いてきたんじゃないかしら?」
「そうですね、そろそろ模擬店を見に行ってみましょうか」
 親達が提案する。
「いいねえ〜、アタシゃそれが一番楽しみだったんだよお〜」
「ま、まるちゃん・・・」
 かよ子はまる子の食い意地にやや引いた。たまえやとし子、笹山も少し引いていた。皆は外の模擬店のコーナーへと向かった。
「あ・・・!」
 外に出た途端、小春が声を挙げた。
「向かいのお兄ちゃんだ・・・!!」
「え?」
 長山兄妹が向いた方向には北勢田竜汰がいた。
「よっ、治君、小春ちゃん」
 北勢田は長山の両親にも挨拶する。
「こんにちは。随分友達連れて来たね」
「うん、皆楽しそうにやってるよ」
「そっか、なんか奢ってあげるよ」
「でも北勢田君一人じゃ大変そうね。私達も出すわ」
 長山の両親が思慮する。
「はい、すみません」
 皆は模擬店のコーナーへ向かう。その時、北勢田は大野や杉山、ブー太郎の姿を見た。
「そういえば、君達、前にも会ったよな。確か、大雨の時だっけ」
「ああ、そうでしたね」
「あの時は色々活躍してたね」
「いやあ、俺達は単なる人助けをしてただけですよ」
 杉山は謙遜した。
「へえ、大野君や杉山君達そんな事してたなんて凄いわね」
 笹山の言葉に藤木は反応した。
(う・・・、笹山さん、もしかして、僕よりも大野君や杉山君の方が・・・!!)
 藤木は落ち込んだ。
(そういえば、あの時はただ僕は何もしてなかったな・・・)
「ああ、でも、ブー太郎や山田や長山も人助けに協力してたぜ」
「いやあ、でも、私おっちょこちょいだったし、それにあの時は隣のおばさんやおじさんも手伝ってくれたからね・・・」
「隣のおばさんとおじさんって三河口の?」
「あ、うん、そうだよ・・・」
「そういえば三河口も休憩してると思うから会えると思うぜ。ついでに一緒に探してみるかい?」
「う、うん、お
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