第三章 黒き天使
第12話 (やっぱり、最高だよ)
[6/6]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
す。短い間でしたけど、彼のことは一生忘れません」
それを聞くと、本魔の代表者はまた笑った。
やはりミナトにはあまり似ていない気がしたが、優しい笑顔だった。
「ありがとう。息子が君に求めた対価については、読書量と死後に魔本になる確率は正の相関があるから、実行してもらえるに越したことはないが……。まあ、私からは無理しなくてもよいと言っておこう。君が死後に魔本になるかどうかは、この塔の運営上は誤差の範囲内でしかない」
答えは一つだった。
「いえ、それでも読みます。彼との約束を守りたいです」
約束は破らないと言ったときの、ミナトの嬉しそうな顔。それははっきりと覚えていた。
「それに彼は、魔本でなくても、『本には書いた人の人生が詰まっている』って言ってました。だから読めって」
「ほう、なるほど。それは事実だ。きっとあの子のことだ。君のことを本気で思って言ったことなのだろう」
息子の遺志を尊重してくれること、感謝する――
彼はそう言って、アカリの顔に手のひらを向けた。
次の瞬間、アカリの体が光に包まれた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ