第101話 幽州派兵
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し、長城の外に彼らを追い出せば、苦しめられた民は救われる。だが、そのために流す血は計りしれない」
私は自分に言い聞かせるように言いました。
「幽州の民はそれを望んでいるだ!」
白蓮は心の底から叫ぶように言いました。
善良な烏桓族がいても、感情が勝り、その点を理解したくない。
いや、見ようとしない。
私がその立場なら、白蓮と同じことを言ったと思います。
烏桓族を皆殺しにしないと気が済まない。
自分の住む土地に烏桓族は居て欲しくない。
憎しみが人の正しい判断を狂わせるか・・・・・・。
私の前世でも、その命題は解消できていないです。
白蓮のような人間ですら、烏桓族を憎んでいるのに、幽州の民と烏桓族の協和を実現でるのでしょうか?
私は自分の描いた将来に自信が持てなくなりました。
いずれにせよ、今回の派兵では難楼を討ち取る、もしくは上谷郡の烏桓族の力を削ぐのが目的です。
彼女の期待には添ってやれません。
私が苛烈な方法で烏桓族を御したとして、私の代は良くても、子孫の世代に彼らを抑えつけれることができるかわかりません。
だからと言って、私は烏桓族に弱腰な態度を取るつもりはありません。
劉虞のように金で肩をつけると後々面倒なことになると思います。
なんとかして、お互いの妥協点を探る必要があります。
「白蓮、君の気持ちはよく分かった・・・・・・。烏桓族を最終的にどう扱うかはこの私に一任してくれないか?」
私は白蓮から顔を反らしたい感情を抱く気持ちを抑え、彼女を直視して言いました。
「正宗君・・・・・・。私の方こそ御免・・・・・・。でも、幽州の民は烏桓族に長い間苦しめられているんだ。それだけは気持ちの隅に置いておいてくれないかな」
白蓮は少し考えてから、私を直視して真剣な表情をして言いました。
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