第101話 幽州派兵
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は人ごとじゃない。最近では幽州と冀州の国境でも烏桓族によるそれが確認されている」
「そう言って貰えるとありがたいよ・・・・・・」
「白蓮殿、ひとまず兵を休めたいので、陣を置く場所に案内してくださいませんか?」
私と白蓮が会話をしていると、後ろに控えていた冥琳が会話に割り込んできました。
「そうだな・・・・・・。白蓮、済まないがそうして貰えないか? 陣を置いたら今後のことを話したいので、その時は白蓮も来て貰えるかい」
「正宗君、じゃあ私達に着いて来てくれ。上谷郡の大守には既に話をつけている」
私達は促されるまま白蓮と彼女の兵達に着いていきました。
白蓮に案内された場所は上谷郡の国境に近い場所で、周囲に遮蔽物がなく、見通しの良い場所でした。
水場は近くなかなか良い場所でした。
この場所に陣を置けば、難楼だけでなく、彼(彼女?)に従う上谷郡の烏桓族の部族長に対し一定の示威行為になるでしょう。
さて、まずは難楼のお手並みを拝見するとします。
陣を置く作業は冥琳が手動して、手際よく行われました。
「正宗君のお陰で、忌々しい烏桓族をやっと潰せる! 彼奴等のお陰でどれだけの幽州の民が苦しんでいるか・・・・・・」
私の隣にいる白蓮は悔しいそうに下唇を噛みながら言いました。
「私は烏桓族全て滅ぼすつもりはない。可能な限り、彼らを取り込みたいと思っている」
私は白蓮の方を向いて言いました。
「本気なのかい! 正宗君は分かってない! あの連中に話なんて通じる訳ないだろ! 彼奴等は略奪だけでなく、罪なき女子供を誘拐して、犬畜生以下だ!」
温厚な白蓮には珍しく、彼女は怒りに満ちた表情で私に語気を強めて言いました。
漢に反抗的な烏桓族がどんなことをしているかは想像がついています。
正直、彼らは山賊となんら変わらない。
ただ、山賊と異なるのは彼らは獲物である無辜の民を生かさず殺さずというこでしょう。
「生殺し」という言葉が合っています。
私も本当は白蓮と同じく、彼らは皆殺しにしてやりたい。
だが、それは私に服従の姿勢を示す烏桓族の信頼を失う可能性があります。
彼らは難楼に非であることは理解できても、同族である彼((彼女?))を惨たらしく殺せば良い気分はしない。
「私は白蓮の気持ちを理解できても、それに同調することはできない。烏桓族の中には穏健な者達もいる。彼らの立場を守ってやるには、烏桓族を滅ぼすようなことがあってはいけない」
「それは正論だろう! 現実に彼奴等の所為で苦しんでいる民が沢山いるんだよ」
白蓮は私に訴えるように言いました。
「そうだな・・・・・・。白蓮の言う通りに、烏桓族を滅ぼ
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