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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百四十三話 罠
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・フォン・シェッツラー、ヴェルナー・フォン・シャイドを大佐に任ずる事と成った」

思った以上の厚遇に感謝の顔をする一行で有るが、まさか此がテレーゼの考えた大いなる罠であるとは思っても見なかった。公式上では陛下が温情で彼等の階級を上げたようには書かれずに、彼等の境遇を哀れんだ各貴族のバックアップで昇進したように見せて居るのであるから、陛下の名声を汚さずに貴族の横紙破りを宣伝する事に成るのであるから益々悪辣である。

「はっ、皇帝陛下のご期待に添える様に致します」

「卿等の参加する艦隊だが、フレーゲル男爵他四名はアルフレート・フォン・レーテル中将艦隊の旗艦に、シャイド男爵は分艦隊であるカール・ルーカス・フォン・ノルディン少将の指揮下について貰う」

ノルディン少将の名前を聞いたフレーゲル男爵達の表情に皺が刻まれ始める、何故なら自分達が島流しに遭っていた原因の上層部への密告が、士官学校同期生であり襲撃計画の仲間であった、ヘルムート・フォン・ノルディンのせいだと勘違いしていたからである。

フレーゲル男爵達の顔が厳しくなった事にリヒテンラーデ侯が気づいて、(実際のは全て知っているからこそ判るのであるが)話しかけた。

「フレーゲル男爵、どうかしたのか?嫌に顔が厳しくなったが、陛下のご温情が不満か」
リヒテンラーデ侯の言葉に、慌てたフレーゲル男爵達が否定する。
「とんでもございません、陛下の御心に不満など有る訳がありません」

「ならば良いが、卿等の配属される艦隊は現在レンテンベルク要塞に駐留して訓練準備中だ、卿等は早急に現地へ向かい着任するようにせよ」
「はっ」


■オーディン ノイエ・サンスーシ小部屋

フレーゲル男爵達の姿を見ていた、テレーゼやグリンメルスハウゼンの元へ酔ったふりをしていたフリードリヒ四世が現れた。

「父上、御苦労様です」
「テレーゼ、グリンメルスハウゼン、予の演技はどうであったかな」
フリードリヒ四世が茶目っ気たっぷりにウインクしてくる。

「流石ですな、陛下の演技はお若い頃から些かも衰えておりませんな」
「ハハハ、流石にあの頃に比べれば些か衰えておるわい」
「父上、お見事でした」

テレーゼやグリンメルスハウゼンの言葉にフリードリヒ四世も満更でない顔である。
「しかし、あの者達にあの様な事で武勲を立てさせて良いのか?」
「彼等は、あの事件以来冷たい視線に晒されながら罰を受けてきましたから、今回の父上のご温情で嘸や感謝しているでしょうね」

「殿下、それだけでは無いのでしょうな」
「そうじゃな、フレーゲル達を嫌うお前がその様な慈悲を見せるとは思えんのだがな」
フリードリヒ四世とグリンメルスハウゼンがニヤニヤしながら本音を話せと目で言ってくる。

「東洋の諺に溺
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