十四話 後日談
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翌日―――
僕は昨日のボス攻略もあり、アラームを設定せずに寝た。
次の朝、目が覚めたBGMはどんっ、どんっ、と言う音と大勢の人たちの話声と言う何とも言い難い音だった。
要するに言いたいのは……
「朝っぱらから他人ん家に来ないでよ!」
ドアを一瞬開けて、ギャラリーたちに怒鳴ってあげた。
しかし、それでもめげないのがギャラリーだ。
アクも、どうやら困っているらしい。
その時、キリトからメッセージが来た。内容は……
『よう、ロア。
お前のところも大変だろ。
一回アルゲートのエギルの店で会おうぜ。
昨日の売り上げを分けようぜ。 By Kirito』
と、言うことで。
貴重な転移結晶をわざわざ使ってアルゲートに行くことになった。
あ、もちろんアクも一緒に。
「よ、ようやくついた……」
「……アルゲートの土地が、迷路みたいで良かった……」
「お、ロア。アク。お前らも来たか」
「あぁ。二人は俺が呼んだからな」
分かると思うけど、上から僕、アク、エギル、キリトの順番。
僕等が来るのを分かっていたかのように転移門にギャラリーたちが押し押せて来ていたから、本当にアルゲートが迷路みたいで良かったと思う。
特にすることもなかった僕は、今日は見ていなかった新聞を手に取ってみた。
そこには
『軍の大部隊を全滅させた悪魔』
『それを単独撃破した二刀流使いの五十連撃』
『その剣士を裏で支えた英雄王がいる』
etc……
「尾びれが付くにも程があるわ!」
気づいたら僕は、新聞を壁に投げていた。
しかも、投擲スキルが働いてエギルの顔五センチのところまで飛んでいった。
「おわっ!ロ、ロア!お前も殺す気か!」
「あ、ごめん!」
『も』ってことは多分キリトも……
そう思ってキリトの方を見ると明後日の方向を向いて、口笛をピューピュー吹いていた。
さすがのアクも、さっきの事は冗談だと分かっていたらしく、気にしていないし。
どうやら昨日の売り上げはアスナが来てからわけるらしい。
でも、そのアスナも……
「……こ、来ない…アスナが、来ない……」
待ち合わせ時間、二時間越えてもアスナが来る気配がない。
その為、アクが代表で嘆いている。
キリトはキリトでぶつぶつ独り言、うるさいし。
その時、不意にトントンと駆けあがってくる音がする。
やっと来たか。
そう思った。次の瞬間……!
アスナは顔を蒼白にして、大きな目を不安そうに見開いている。
「どうしよう……キリト君、ロア君、アクちゃん……」
泣き出しそうな声で言うアスナ。
「大変なことに……なっちゃった……」
……やばいこれ、すっごく嫌な予感がする。
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