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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
それからあたしは、傭兵を知る
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「というわけでその…今日来たのは取材に窺うためなんですが…。」
「ああいいよ。そこに座って。多分紅閻魔がそのうちお茶持ってくるから。」

台所らしきところからは「どうして全員に報告しなかったんでちか…これは今晩お仕置でち!」と小言が聞こえてくる。

「あの…。」
「ん?」
「前もって連絡はしたんですが…。」
「あー…自分だけ知ってればいいかと思って他のやつに言ってなかった。」

そういうことか…。

「じゃあ…取材に入らせて頂くんですが…。」
「タメ語でいい。俺より年上でしょ?」
「え…?」

どこか慣れたような感じのする彼だが、なんと世界が崩壊する前はただの高校生。
つまり、彼は未成年だ。

「が…学生!?」
「他にやるべきこともなかったし、こうしてなんだかんだで傭兵やってる。まぁこれはこれで楽しいしな。まぁ後ろ指さしてアレコレうるせぇ奴もいるけど。」

未成年であることに驚く中、彼は淡々と傭兵になった経緯を語る。
本当に成り行きのままだったらしい。
世界が壊れ、気が付いたらアビゲイル、メドゥーサ、紅閻魔がいた。
さらに後日サーヴァントが増える。ジャックとダ・ヴィンチ。そしてはぐれサーヴァントとなっていたイリヤや美遊、酒呑童子と茨木童子の四騎をこちらで引き取ったと。
最後のクロエは

「捕まってた。」
「捕まってた!?まさか葛城財団の…!」
「いや、それとは違う。なんか胡散臭い新興宗教だよ。」

酒呑童子と同じく仲間をからかい、お姉さんぶるクロエではあるものの彼女は過去に宗教組織に捕らわれ、ひどい仕打ちを受けていたとのこと。

「ホント…クソみたいな組織だったよ。あんな奴ら死んだ方がマシなくらいにな。」

何かを思い出したように、傭兵は意味深な表情をして顔を俯かせる。

「…。」
「…あの…。」
「ああ悪い。思い出したくもない事思い出しちゃってな。」

手を横に振るい、彼は誤魔化すように軽く笑う。

「ともかく今のは忘れてくれ。胡散臭い新興宗教なんてのはこのご時世腐るほどいるしな。」

新興宗教…といえば人間同盟とかいうものを思い出す。
あたしの両親だった人が支部を勤めていた、本当にクソみたいな宗教組織。

「それじゃ話を戻すか。図書館の方々が聞きたいのは俺の仕事内容だろ?」
「まぁはい。」

いよいよ取材らしい取材が始まる。
ちょうど紅閻魔もお茶とお菓子を持ってきてくれた。

「さっきも言ったが俺は傭兵をやってる。金次第でなんでも請け負うってヤツだ。」
「はい。」
「なんなら殺しもな。」
「…。」

金次第ではなんでもする。
言い換えれば、金さえ積めば誰であろうが躊躇なく殺す。
彼という男に何があったのかは知らない。
けど、未成年
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