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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
それからあたしは、傭兵を知る
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葵紫図書館が出来て早3ヶ月。
当初の目的である英霊達の本を書くという仕事は大体出来ていた。
各地へ取材へ赴き、話を聞いて本にする。
中にはこのように書いて欲しいと頼まれたりもしたけど誇大表現はよくない、あたしはなるべくなりのままで書くことにした。

村にいたロボと森長可、
ゴーレムを販売するアヴィケブロン。
さらにその後様々なサーヴァントを取材し
孤児院にて御伽噺を聞かせるシェヘラザード
イルカショーを開催して子供達を喜ばせるジャンヌなど、
ともかく色々なサーヴァントがいる。

そして、そのたびに邪魔をしてくるのが葛城財団。
まぁ大抵はあたしがなんとかして追い払うのだけど、奴らは本当に懲りない。
で、

「傭兵…?」
「はい、この辺りにそういった生業のマスターがいると聞きまして…。」

ある日、取材のネタが舞い込んできた。
傭兵。
お金を払って雇い、護衛とか戦いとかやらせるあの傭兵だ。
この時代、やはりどうにも武力というものは必要になってくる。
というわけでとあるマスターは自らのサーヴァントの戦闘能力を活用し、傭兵稼業をしているという。
血なまぐさい職業だなぁと思いつつも、あたしはどういった仕事をしているのか気になった。

「じゃあ行ってみようか。」
「はい。」

荷物をまとめ、その傭兵がいるところへ向かうことにする。
その間図書館経営は休まない。
あたしや香子がいない時には、式神ゴーレムが代わりにやってくれるのだ。
とはいっても本の貸し借りのみだけど。


?

葵紫図書館から離れ、場所は神奈川県座間市、
そこに傭兵がいるのだという。
とはいっても傭兵というのはたくさんいる。
選んだ理由としてはたまたまここにいる傭兵が図書館から近かっただけだ。
それとなんかその世界では割と有名な奴らしいのは後で知った。
程なくして更地のど真ん中に広大な畑と大きな家が見える。
おそらくあれが傭兵の家なのだろう、
畑やソーラーパネル。どうやら自給自足で賄っている様子。

「すいませーん。葵紫図書館の源でーす!」

取材に伺うと事前に連絡はしてある。
ノックして声をかけると、少ししてドアノブが回った。

「いらっしゃい。お客様ね!」

出迎えてくれたのはサーヴァント。
長い金髪にあたしと同じ青い瞳、その細腕で大事そうにクマの人形を抱えており、少女は愛らしい笑顔であたし達を迎え入れてくれた。

「アビゲイル・ウィリアムズよ!よろしくね!」

そう、彼女はサーヴァント。
フォーリナーのアビゲイルだ。

「よろしく。あたしは源葵。こっちはサーヴァントの紫式部。」

しゃがみ、彼女と同じ目線に合わせ挨拶も握手をする。

「それじゃあ少しだけ待っててくださいな
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