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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第二百八十六話 色鉛筆その九

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「錯覚させてね」
「何かそう言ったら」
「中身がないって思うよね」
「そうじゃないの?」
「だから中身がないから」
 そうした人間だからだ。
「オウムについてもそう言ったんだよ」
「そうなのね」
「歳取って駄目になったんじゃっていう人もいるけれど」
 ぼけたかという人が本当にいた。
「オウムがいいとか言うなんて最初からね」
「駄目だったのね」
「そうだったと思うよ」
 もう最初から中身がなかったと思う、行き着く先がオウムなんてそれこそ最初からたかが知れているというものだ。
「所詮はね」
「だから義和も読むつもりないの」
「タブロイド紙とレベル的には同じだよ」 
 読む価値が全くないという点においてはだ。
「本当にそんな奴の本読むよりは」
「漫画ね」
「面白い漫画読んだ方がずっとためになるよ」
「漫画はいいのね」
「というか馬鹿に出来ないよ」
 このことも確信している。
「読んだら馬鹿になるとか」
「ないのね」
「絶対にね」
「むしろその逆ね」
「タブロイドを読んだら馬鹿になるけれど」
 それでもだ。
「漫画はね」
「読んだら賢くなるのね」
「そうなるよ、訳のわからない文章読んでも意味ないし」
 吉本隆明のそれだ。
「わかりやすいの読まないとね」
「漫画ってわかりやすいしね」
「文章よりもね」
「そうよね」
「真理は実は簡単でね」
「わかりやすいのね」
「そうしたものだっていうし」 
 このことをまた話した。
「だからね」
「それでなのね」
「もうね」
 それこそだ。
「そんな難しく考えないで」
「それでなのね」
「読んだらすぐわかる」
「そうしたものがいいのね」
「ああ書いているこう言いたいとかね」
「難しい文章読んで」
「それで考え抜いてやっとわかったと思って」
 それでだ。
「自分は頭がいいか」
「それは違うのね」
「そう思わせた相手を凄いかっていうと」
「そうじゃないのね」
「その行き着く先がオウムなら」
 本当にだ。
「たかが知れてるからね」
「それでもなのね」
「そんなのだから」
 それでだ。
「難しいイコール凄いじゃないよ」
「むしろ簡単ね」
「太宰治も読みやすいしね」
 この人の文章はどれもそうだ、森鴎外は時代によって文章が違うので舞姫とか初期の作品を読むのには苦労する、そして候文の作品もあったりするので読みにくい作品もあったりするのに対して太宰はそうだ。
「それでわかりやすいし」
「太宰の言ってることが」
「主張がね、志賀直哉もそうだしね」
 太宰が嫌い抜いたこの人もだ。
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