第二百八十六話 色鉛筆その七
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「けれどね」
「それでもよね」
「漫画はためになるよ、知識も得られるしね」
「漫画って色々なこと書いてるから」
「沢山読むとね」
文章の本と同じくだ。
「知識も教養も身に着くよ」
「いいことばかりね」
「創作する人は創作の肥やしになるし」
漫画を読むとだ。
「小説もそうだけれど」
「漫画も読むといいのね」
「そう、ただね」
「ただ?」
「僕思想書は読まないからそっちは言えないよ」
どうにもだ。
「哲学書はね」
「そうなの」
香織さんは四十八色の色鉛筆セットを手にしたまままだ色々と色鉛筆を見て回っている、どんなものかチェックしていることがわかる。
そうしつつだ、僕に応えてくれた。
「そっちは読まないの」
「うん、性に合わなくてね」
「それでなのね」
「あと戦後の日本の思想家ってね」
このことはどうもという顔になって言った。
「吉本隆明なんかが最大とか言われてるから」
「義和その人嫌いよね」
「嫌いどころか」
吉本隆明についてはだ。
「全否定だよ」
「何があってもなの」
「読まないって決めてるよ」
「そうなのね」
「タブロイド紙と同じだけ無益だから」
吉本隆明の本なんてだ。
「読むだけ時間の無駄だよ」
「本当に否定してるわね」
「だってオウムのあの教祖を偉大とか言って」
そうしてだ。
「最も浄土に近い人じゃとか言ってたんだよ」
「あのオウムの?」
「そうなんだ」
これが本当のことだからとんでもない。
「本気でね」
「あの、その人」
香織さんの言葉は心からおかしいというものだった、正直殆どの人が香織さんと同じ様に考えるだろう。
「大丈夫じゃないわよね」
「馬鹿じゃないかって思うよね」
「それもかなりね」
「僕もそう思ってるよ」
確信していることだ。
「戦後最大の思想家って言われていたけれど」
「それが実はなのね」
「馬鹿も馬鹿で」
もうそれこそだ。
「その辺りの人の方がずっと賢いよ」
「誰だってオウムはおかしいってわかるから」
「教祖だってね」
あの行いや教えを見るとだ。
「明らかにね」
「そうよね、おかしいわね」
「最終解脱なんてないし」
解脱してもまだ先があるというのが仏教の教えで人類で最後に解脱したという話も有り得ないことだ。
「信者に粗食強制していて自分はメロンとかパーコー麺食べて」
特にメロンが好きだったらしい。
「修行させていてね」
「自分は、よね」
「愛人一杯いてだったから」
もうそうしたゲームみたいだったらしい。
「欲の限り、お金も集めて権力も求めて」
「クーデタ―考えていたね」
「そんな人が浄土に近いか」
「言わなくてもわかるわね」
「その言わなくてもわかることがそれ
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