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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第二百八十六話 色鉛筆その五

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「ああいう人実在するみたいだから」
「ああ、グルメ漫画ね」
「あるよね、新聞記者が主人公の」
「あの漫画変な人ばかり出るわね」
 香織さんはその四十八色のセットを手に取りつつ応えてくれた。
「物凄く短気で野蛮な人ばかり」
「無教養でね」
 登場人物が殆どそうなのが凄い。
「そんな人ばかり出るよね」
「連載長く続いてるのにね」
「百巻以上あるのに」 
 それでもだ。
「一回だけ出る人も含めて」
「もうすぐ怒るわね」
「何でもないことでね」
 傍目で見ていてだ。
「それで揉めるんだよね」
「そうよね」
「主人公自体がね」 
 肝心のこのキャラクターもだ。
「ならず者だから」
「権力持った」
「お店の味が気に入らないから怒鳴り散らすとか」
 お店の中でだ。
「もうならず者だよ」
「そうよね」
「香織さんの言う通り権力持ったね」
「最悪よね」
「それであんなのがね」
 もうこう言っていいだろう、父親も同じタイプだから余計に酷い。
「実在していてね」
「やりたい放題なのね」
「もう日本で記者とかテレビスタッフっていったら」
 それこそだ。
「ヤクザ屋さん以下だってね」
「思った方がいいのね」
「実際犯罪も多いしね」
 恐ろしいことにそれが氷山の一角らしい。
「そういうの見たら」
「嫌な世界で」
「とんでもない人達が多いよ」
「子供の頃のイメージと違うわね」
「うん、社会の木鐸どころか」
「その逆ね」
「タブロイド紙なんか碌に取材しないから」
 頭の中で取材していると聞いたことがある。
「それで誹謗中傷とか媚び諂いとか書くから」
「人間性疑うわね」
「本当にそんなの読むんだったら」
 日刊なり夕刊なりどっちにしてもだ。
「漫画読んだ方が遥かにいいよ」
「漫画の方がためになるわね」
「冗談抜きで碌なこと書いてないから」
 日本のタブロイド紙はだ。
「元々そうした雑誌って品性はどうか、だけれど」
「それだけじゃないのね」
「面白おかしくじゃなくて」
「変なことばかり書いてるから」
「だからね、まあね」
「まあっていうと」
「アメリカでもそうした新聞あったからね」
 日本だけのことじゃない、悪質なタブロイド紙は他の国でも存在していたし今も存在しているのだ。
「ハーストとかね」
「ハースト?」
「今もある会社だけれど」 
 そう考えると古い。
「反日感情煽ったりスペインとの戦争煽ったりね」
「そうしていたの」
「やたら扇動的で攻撃的な文章とか下品な絵でね」
「日本のタブロイド紙みたいに」
「それで実際にスペインとの戦争の流れを作ったし」
 その一翼であったのだ。
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