8月
第93話『到着、一悶着』
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
一目見ただけで相手の実力を見切ったということか。
「お、当たりか? ははは、商人やってると目が鍛えられるからな。そうさな……8割くらいの確率で当てられるぜ?」
「「凄っ!?」」
「にしても、これでこの大会に出場するレベル5は3人になった訳だ」
「3人? 結月以外にあと2人いるんですか?」
「おうとも」
マーさんの目利きに驚いたところで、さらに驚くべき情報が入る。
なんと、この大会には能力の最高峰、レベル5が結月以外に2人いると言うのだ。確か国に数名しかいない程、超レアだと言うが……って、そういえば魔導祭は『全国』大会なのだった。ならレベル5の魔術師が集まるのは、当然っちゃ当然なのか。
「そいつらの能力は"聖剣"と"黒龍"つってな、強さも規模もとにかく桁が違う」
「な、なるほど……」
どちらの能力名も、聞くだに強そうなものだった。
"聖剣"と言えば、何とかカリバーとかいう超有名な剣を想起するし、"黒龍"と言えば、これまた伝説の存在が頭に浮かぶ。
けど後者に関しては、結月の"白鬼"と似た感じがした。でも、"黒"って何だよ……。
「マーさんの言う通りだ。俺も去年一昨年と見てきたが、とんでもねぇ人たちだ。しかも、2人とも同じチームだってんだからシャレにならねぇ」
「えぇっ!?」
「優勝候補、【覇軍】。それが奴らのチーム名だ。もっとも、候補というよりはほぼ確定なんだがな」
「……」
あまりに驚きすぎて、もはや言葉も出ない。そんな化け物みたいな人たちが同じチームだなんて、そんなのもはや卑怯じゃないか。
晴登は改めて、優勝することの無謀さを知った。
「だが、その嬢ちゃんの実力次第じゃ、お前さんらもいいとこ目指せるんじゃないか?」
「ふっ、結月だけじゃねぇ、他のメンツだって調整はバッチリだぜ。今年こそは本選に出てやるよ」
「そいつは楽しみだな。期待してるぜ、黒雷のボウズ」
「だから、その呼び方やめろって」
一通り軽口を交わすと、マーさんと終夜は笑い合った。
どういう関係なのかはわからないが、ただの商人と客って訳でもなさそうだ。何だかまるで友人同士である。
「ちなみに今日は何も買わねぇのか?」
「生憎金を持ち合わせてなくてな」
「んだよ。なら情報代も取れねぇじゃねぇか」
「それくらいで金取ろうとすんな」
マーさんはつまらなそうにボヤくと、終夜がツッコむ。うん、やっぱり2人は仲良しな気がするな。
……にしても、ちゃっかりしてるなぁ。
その後、マーさんに見送られながら、一
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ