暁 〜小説投稿サイト〜
非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
8月
第93話『到着、一悶着』
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一目見ただけで相手の実力を見切ったということか。


「お、当たりか? ははは、商人やってると目が鍛えられるからな。そうさな……8割くらいの確率で当てられるぜ?」

「「凄っ!?」」

「にしても、これでこの大会に出場するレベル5は3人になった訳だ」

「3人? 結月以外にあと2人いるんですか?」

「おうとも」


マーさんの目利きに驚いたところで、さらに驚くべき情報が入る。
なんと、この大会には能力(アビリティ)の最高峰、レベル5が結月以外に2人いると言うのだ。確か国に数名しかいない程、超レアだと言うが……って、そういえば魔導祭は『全国』大会なのだった。ならレベル5の魔術師が集まるのは、当然っちゃ当然なのか。


「そいつらの能力(アビリティ)は"聖剣(せいけん)"と"黒龍(こくりゅう)"つってな、強さも規模もとにかく桁が違う」

「な、なるほど……」


どちらの能力(アビリティ)名も、聞くだに強そうなものだった。
"聖剣"と言えば、何とかカリバーとかいう超有名な剣を想起するし、"黒龍"と言えば、これまた伝説の存在が頭に浮かぶ。
けど後者に関しては、結月の"白鬼(びゃっき)"と似た感じがした。でも、"黒"って何だよ……。


「マーさんの言う通りだ。俺も去年一昨年と見てきたが、とんでもねぇ人たちだ。しかも、2人とも同じチームだってんだからシャレにならねぇ」

「えぇっ!?」

「優勝候補、【覇軍(コンカラー)】。それが奴らのチーム名だ。もっとも、候補というよりはほぼ確定なんだがな」

「……」


あまりに驚きすぎて、もはや言葉も出ない。そんな化け物みたいな人たちが同じチームだなんて、そんなのもはや卑怯じゃないか。
晴登は改めて、優勝することの無謀さを知った。


「だが、その嬢ちゃんの実力次第じゃ、お前さんらもいいとこ目指せるんじゃないか?」

「ふっ、結月だけじゃねぇ、他のメンツだって調整はバッチリだぜ。今年こそは本選に出てやるよ」

「そいつは楽しみだな。期待してるぜ、黒雷のボウズ」

「だから、その呼び方やめろって」


一通り軽口を交わすと、マーさんと終夜は笑い合った。
どういう関係なのかはわからないが、ただの商人と客って訳でもなさそうだ。何だかまるで友人同士である。


「ちなみに今日は何も買わねぇのか?」

「生憎金を持ち合わせてなくてな」

「んだよ。なら情報代も取れねぇじゃねぇか」

「それくらいで金取ろうとすんな」


マーさんはつまらなそうにボヤくと、終夜がツッコむ。うん、やっぱり2人は仲良しな気がするな。
……にしても、ちゃっかりしてるなぁ。


その後、マーさんに見送られながら、一
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