暁 〜小説投稿サイト〜
非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
8月
第93話『到着、一悶着』
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うそう。あたしが入学した高校で、偶然魔術師がいてね〜。流れでチーム組んで出場することになったの」


終夜と緋翼の問いに、月はあっさりと答えていく。しかし、内容は全くあっさりしていない。
言い方的には、彼女の行った高校に魔術部の様な部活があった訳ではなく、ただ魔術師が見つかったというようなニュアンスだ。だが、そんな簡単にいるものだろうか。魔術師とは。


「……ん? ちょっと待ってください。てことは、もしかして櫻井(さくらい)先輩もいるんじゃ……?!」

「終夜ビンゴ。あの子も同じチームで参加するよ。今はいないけど、後で会いに行かせるね。それじゃ、頑張って〜」


月はそう言って、手を振りながら去っていった。とても快活な人だったな。
にしても、終夜が口にした「櫻井先輩」という人も気になる。たぶんその人も魔術部に所属していたのだろう。でもって、月と同じ高校に入学しているといったところか。
2人とも、一体どんな魔術を使うんだろう……!


「くぅ〜まさか先輩に会えるなんてなぁ〜!」

「でも喜んでばっかりはいられないわよ黒木。あの人たちは……今年は敵なんだから」

「わかってるよ。成長した俺らの力を見せてやろうぜ。いいな1年共!」

「「は、はい!」」


終夜に突然振られ、慌てて大きな声で返事をした。
終夜も緋翼もいつになくやる気に満ちている。先輩が相手だとそうなってしまうものなのかな。例えば来年はこの2人が相手に……


「それはちょっと勘弁かなぁ……」


想像して、晴登は身震いするのだった。






今日の日程は、今から1時間後に開会式を行なった後、さらに1時間後から予選が4つ一気に行なわれる。なんでも、この会場以外にも会場がいくつかあり、そこで予選を実施するそうだ。山の中という地の利を最大限利用している。


「ということで、まだ時間が余ってる訳だが」

「それなら、皆でこの屋台を回りましょうよ!」

「それはいいけど、この人数だとさすがに多いな……よし、お前ら2年だけ別行動な」

「うわ〜バッサリ切り捨てたよこの人」


終夜に対して北上がそう提案したが、なんとも言えない条件付きで承諾される。
2年生たちは不服そうな顔をしていたが、屋台を回れることには変わりないので、すぐに切り替えて散策を始めるのだった。


「よし、それじゃ行くか」

「えぇ……」


何事もなかったかのように話を進める終夜に、思わず嘆息してしまう。
全く、カッコイイ時とダメな時の差が如実に表れるんだから、この人は。







「よう、黒雷のボウズ、今年も来たのか」


開会式までに正午を跨ぐので、適当に屋台で昼食を済ませつ
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