8月
第93話『到着、一悶着』
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「えぇっ!?」
ここに来て一番のカミングアウトだった。
しかし思い返せば、『全国魔導体育祭』という名前のどこにも『中学』の文字がない。加えて『全国』であり、『市』でも『県』でもないのだ。
……これは予想してたよりも、かなり大きい大会なのではなかろうか。
「ちなみに、この大会の最年少チームは俺たちだぜ」
「それ大丈夫なんですか!?」
どうして去年、日城中が予選落ちしたのかわかった気がした。
魔術とは練度が物を言う。つまり、子供のチームよりも大人のチームの方が優れていて当たり前なのだ。
しかも晴登たちは最年少チームときた。これでは優勝どころか、最下位の可能性の方が圧倒的に高い。
「心配すんなって。お前らも結構魔術には慣れてきてる。本戦に行けるかはわかんねぇけど、いいとこは狙えるはずだ」
「そ、そうですか……」
1度はこの舞台を経験している終夜の言葉だ。ここは素直に受け取っておこう。
それでも、予選は1人で戦わなければいけないから、不安を拭い去れる訳ではないが。
「……あれ? 終夜じゃん。それに緋翼ちゃんも」
唐突に、その声は背後から聞こえてきた。
口調は男っぽいが、声の高さ的に女性だと思う。
「あ! 星野先輩じゃないですか!」
「お久しぶりです!」
「やっほ〜。終夜も相変わらず元気そうだね。緋翼ちゃんは……まだ成長期は来てないかぁ」
「余計なお世話です!」
振り返ると、そこには黒髪ショートの綺麗なお姉さんが立っていた。前髪には星の飾りが付いた髪留めを付けており、上下とも黒のジャージを着ている。
それにしても、今「先輩」って……
「お、君たちはもしかしなくても新入生かな?」
「そうですよ、聞いてください。今年はなんと、入部した3人とも魔術を使えるんです!」
「ひゅ〜。それはツイてるねぇ!」
星野と呼ばれた女性と目が合ったかと思うと、終夜がそう説明した。彼女はそれを聞いて、嬉しそうに口笛を吹く。
「部長、この人は……?」
「紹介するぜ。この人は去年の日城中卒業生、でもって魔術部に所属していた星野 月先輩だ」
「よろしく〜!」
終夜の紹介に合わせて、月はピースして挨拶してくる。どうやら終夜に負けず劣らず、元気な性格をしているようだ。晴登たちも慌てて挨拶を返す。
今まで考えもしなかったが、この魔術部にも先輩がいたとは。ということは、終夜たちより凄い魔術師だったりするのだろうか……。
「にしても先輩、どうしてこんな所に?」
「そりゃ答えは1つじゃない? あたしもこの大会に参加するからよ」
「え、そうなんですか!?」
「そ
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