間章2 解放軍の光と影
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いや、彼だけではない。今や帝国の奴隷産業全体が謎の好景気を迎えていた。何故か奴隷が飛ぶように高く売れるらしく、帝国中の奴隷商人達が腕をふるって売りまくっていた。
これまで労働力を奴隷に頼っていた鉱山や農場などの生産現場からこれ以上、奴隷を売らないで欲しいと苦情が入るほどに……。
今の帝都で羽振りの良さそうな者といえば謎の新参者の商人と奴隷商人ぐらいなものである。
(気分転換中なのに嫌なものを見てしまった)
キケロ卿はため息をついてその場から去ろうと足を進めたがふと、足を止めた。
(それにしても…あの謎の商人から買った宝玉は美しかったな……妻へのプレゼント用にもう2つ程買っておくか)
そう思うと自分の屋敷の方へと歩みを進めた。
キケロ卿、いや元老院議員達は気づいていなかった。
彼の買った宝石や嗜好品が帝国の経済を徹底的に破壊する為にショッカーがイタリカの商人経由で送り込んだものだということも……、
奴隷を見かける数が減ったのは帝国の労働力を奪うためにショッカーが買い漁っているからだということも……、
既に帝国内には相当数、ショッカーの息のかかった人間がいることも……。
帝国の気づかない間にショッカーの静かなる侵略は行われていた。
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