間章2 解放軍の光と影
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持兵から主要都市の治安維持部隊、はたまた何の訓練も施していない平民まで徴兵している始末だった。
それらに追い打ちをかける形で治安維持部隊や都市を守る男手がいなくなったことによる盗賊の台頭で治安の悪化が帝国各地で起こっていた。
「物資を確保する為の属国での徴収、収奪も限界に近い!!ニホンとショッカーだったか?そのどちらか一方とだけでも講和を検討すべきだ!!」
「何を言うか!!」
「ふざけるな!」
軍人や主戦派の議員からヤジがとぶ。
中には「帝国内の帝国軍全軍でアルヌス、オ・ンドゥルゴに総突撃すべき!」と叫ぶ乱暴な末期論者まで出てきた。
「そうだそうだ、連中は攻めあぐねているに違いない」
「世界に冠たる帝国が蛮族と講話など寝言も寝てから言え!!」
しかし講和派も負けじと反論する。
「希望的観測で戦況を語るな!!」
「連中はこちらが降伏するのを待っているんだ!」
「今ならまだ幾らか権益を残したまま戦争を終結されることができる!!」
それから間もなくして、主戦派と講和派の双方から猛烈な言葉の応酬が始まる。
「イタリカを奪還せよ!!」
「どうやってだ!?まともな方法があるのか!?」
「この愚か者が!帝国軍全軍をかき集めればまだ勝機はある!!」
「帝国が今すぐ滅ぶかもしれないんだぞ!そんな悠長なこと言ってられるか!」
「今までだって負けたことはないんだ!時間さえかければ勝てる!」
「そんな時間はない!早く講話すべきだ!」
「異世界の蛮族に講話など出来るか!」
「面子を気にしている場合か!?このままでは敗けるぞ!?」
両陣営共に立ち上がり、議場は掴み合いになりかねない雰囲気に包まれた。
中には押し合いに発展している議員もいた。
(内政を司る議員同士で争いを始めるとは……帝国ももう終わりかもしれんな……)
玉座に座る帝国の皇帝 モルトは頭を抱えてその光景を眺めていた。
モルト自身はどちらかと言えば主戦派に近い考えをしていた。
現状での講話は帝国にとって『敗北』と変わらない。ここで敗北と同義な講話を結んでしまえばこの世界に覇を唱える最強の国家としての帝国の権威は失墜してしまい、積年の恨みから属国や植民地で大規模な反乱が起きる可能性があった。
連合諸王国軍をアルヌス、オ・ンドゥルゴに差し向けたのも反旗を翻す可能性のある属国の始末を敵にさせるためである。
仮に100歩どころか1000歩譲って講話するにしても『異世界の敵を屈服させた!』と喧伝できるほど帝国に有利な条件でなければならなかった。
尤も、日本はともかくショッカーとしては『増えすぎた人民の植民』、そしてそのための『異世
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