間章2 解放軍の光と影
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まるようにショッカーが異世界で帝国を打ち負かし、占領地の人民に希望を与えれば与えるほど、裏での顔もより醜悪に、より残虐性を増していった。
ハインリッヒ博士も表では改造人間達やコダ村避難民の医師として健康管理を行い、軍の防疫任務に従事する一方、裏ではショッカーが購入した奴隷の一部を使った人体実験を行っており、本来のマッドサイエンティストとしての顔を見せていた。
尤も、コダ村避難民の診察を行うのも異世界人の健康データ及び異世界特有の疾病に関するデータ採取という思惑もあるのだが……。
「ハインリッヒ博士。そちらの進捗状況はどうですかな?」
実験室のドアが開き、蝶ネクタイに白スーツ姿の男が部屋に入ってきた。この男もまたショッカーの誇るマッドサイエンティストであった。
「プロフェッサー・ドクか……。はぁ、こっちは正直言って余り進んでいない。ヒトにエルフにドワーフ……何種類も生体解剖してあらゆる細胞も採ったが、何故、魔法なんていう未知のものを使えるのか全く分からんのだ。もっとモルモットと時間が必要だ」
「よろしければ手伝いましょうか?こっちの研究は一段落着きそうなんです」
「いいのか?それは有り難いが……確か、プロフェッサーは異世界生物の研究だったか」
「はい、ゴブリンやオーク、ワイバーンなどですが……すごいですよ!奴らは!我々の世界では考えられないほど高い生殖能力と生存本能、そして凶暴性!特に炎龍!!炎龍の特性と能力を利用すれば最強の怪人が出来ますよ!!千切れた左腕とはいえ、貴重なサンプルを持ってきてくれた千堂大尉には感謝です」
ハインリッヒはフッと笑って得意な顔になった。
「当然だ。彼は私が造った最高傑作だからな。紅いトカゲモドキの腕くらいは簡単に取って来てみせるさ」
プロフェッサー・ドクには軽く興味のないように言い放ったが内心では自分の最高傑作である『最高傑作』である千堂印一ことアングヴォルフの活躍を讃えられ、まるで自分の息子が学校のテストで百点を採って親戚に褒められたかのように喜んでいた。
「それにしても……奴隷か…。安定的にモルモットが手に入るとは……。最近では不穏分子がめっきり減ってモルモットに困っていたところだ。それに比べて奴隷制のある異世界は我々、科学者にとって楽園のような場所だな」
「全くです。犬神博士にリモート会議で同じ事を言ったら悔しそうな顔をして『俺も異世界の異種族奴隷で機械合成怪人を作ってやる!』って叫んでましたよ」
「ほう、犬神博士もか……。黒松教授がゴルゴム州で『マグロやゴルゴメスの実を食べなくてもいい異世界のゴルゴム怪人を作って見せる!』と啖呵を切ったという噂は知ってたが…」
「皆、自分の研究が上
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