間章2 解放軍の光と影
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るべく努力しているのを見かけていた。
さらに再教育後はイタリカなどの占領地で就職させるか、軍に入れると上官から聞かされていた。
ふと黒人系の兵士が相方の白人系の兵士の方を向いた。急に静かになったので気になったのだ。
相方の反応は奇妙なものだった。
というのも白人系の兵士の1人がマズイものでも見たかのように奴隷の乗ったバスから顔を背けていたからだ。
身体はガクガクと震え、顔は真っ青でまるでブルーベリーを思わせた。
「どうした?顔色が悪いぞ?」
「ああ、大丈夫だ。何でもない」
「大丈夫なわけあるか……どうした?理由を話してみろ」
すると白人系の兵士は観念した様子でため息をついてゆっくりと話し始めた。
「あのな……俺、見ちまったんだよ……」
「はぁ、何を?」
「基地で見たんだよ……夜中に俺が便所に行ってたらよ…。血まみれで動かなくなった元奴隷達が袋に詰められて基地の地下室から運び出されるのをな……」
「なッ!?それってまさか!!」
黒人系の兵士が叫びそうになったところで白人系の兵士が口元に指を当てて黙らせる。
「余計な詮索はしない方がいい。じゃないと俺達の身が危なくなる……」
そういう白人系の兵士はチラチラと辺りを見回して聞き耳を立てている人間がいないか探していた。
―――――――――――――――――――――――――――――――
オ・ンドゥルゴ基地 極秘地下研究所
「ギャァァァァ!!!」
「やめてくれぇぇ!!!」
今日も極秘地下研究所では哀れなモルモットが死の断末魔を上げた。
そしてその音に続くのは鋭利な刃物で肉を切り刻む音、或いは悶苦しむ声、はたまた被験者を"処分"する音である。
「どの実験も順調。ほんと、モルモットが多くて助かるわ」
様々な機械や実験器具、薬品、書物や論文の所蔵されてある手狭な部屋では黒いレオタードの上に白衣を纏った女性が実験の様子を監視カメラを通じてテレビで見ていた。
「綾小路博士!デッドマンガス使用実験の結果が出ました!それとこれがウルフビールス感染実験の経過報告書です!」
部屋に科学戦闘員が入室し、綾小路博士に報告書の挟まったファイルを手渡す。
ショッカーの女科学者、綾小路律子はファイルに書かれた実験結果に目を通すと満足したのか薄っすらと笑みを浮かべた。
「ふーん、この世界でも化学兵器や生物兵器は猛威を奮うようね。デッドマンガスやウルフビールスも絶大な効果を見せている……。フフ、次はどんな実験をしようかしら」
そう言うと彼女は重い金属製の扉を開けて、廊下に出る。
彼女の歩いている無機質なコン
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