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GATE ショッカー 彼の地にて、斯く戦えり
間章2 解放軍の光と影
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のことであり、企業による職業訓練に至ってはイタリカ市民の人的資源としての価値を高めるために行っているのである。


はっきり言ってショッカーは異世界征服の野望の為にイタリカ市民を利用しているのだが、結果的に市民達は街の発展を促進してくれるショッカーに大きな感謝をせずにはいられなかった。

実際、住民による大規模な抵抗を覚悟してやって来た兵士や戦闘員が市民達から頭を下げて礼を言われて拍子抜けしたという報告があちこちで起こっていた。



「しかし、あれだな。ここに住んでる連中、一応、敵国人だろ?この世界の通例に倣って奴隷化するなり、粛清するなりしてもよさそうなのものだが……」


「非人道的に扱い過ぎても占領政策の支障にしかならないという政府の判断らしいがな……でも俺はあの亜神の嬢ちゃんが一枚噛んでいると思うんだよな」 
 

「……?……どういうことだ?」


「噂だがお前も聞いただろ?あの亜神にはこの世界のバランスを乱す因子を摘み取る役割があるって……それにこの世界にも『神』の存在があるらしいからな。そんな奴らに介入されると面倒なことになる…政府はそう判断したって話だ」


これは事実であった。
千堂がロウリィと接触したことでショッカーの異世界征服計画は大幅な修正を余儀なくされた。当初の計画では占領地の人民は人心掌握をして全員、洗脳。その後は奴隷化、或いは粛清するはずだった。
しかし脅威的な身体能力と再生能力を持つ亜神の登場により、その計画は大規模な修正を余儀なくされた。
ゾル大佐や暗闇大使がオ・ンドゥルゴ基地に派遣されたのも万が一、ショッカーが亜神と戦闘になったとしても無力化できるほど強力な基地司令官の存在が異世界征服計画に求められたからだ。
ちなみにゾル大佐、暗闇大使以外にも対亜神要員は複数人、基地に待機している。



「まぁ政府、いや、大首領様がそうご判断されたのなら仕方がないか……。俺達はそれに従うまでだ。大首領様の御判断に間違いは無いからな」



2人はそのまま市内を巡回し、やがて城門の外に出た。
イタリカの外には奴隷を積んだ馬車と軍の灰色バスが停まっていた。馬車の中にはヒトもいたがエルフやドワーフなどの亜人種の奴隷が多かった。
彼らが目にしたのはちょうど、ショッカーの軍人が奴隷商人に金貨が大量に入った袋を手渡しているところだった。奴隷商人に代金を支払ったのでこれから奴隷達をバスに乗せ、基地に連れて帰るのだろう。


「奴隷か……そういえばショッカーはイタリカの商人から帝国の奴隷を購入して彼らをショッカーの人民として再教育してるんだったな」

  
黒人系の兵士が呟く。彼は購入された奴隷達がオ・ンドゥルゴ基地内で教育を受け、コダ村避難民のようにショッカー人民にな
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