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曇天に哭く修羅
第四部
準決勝第一試合 4
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ギーを転移し放出。


(残った攻撃エネルギーの中心部を【空間転移/ムーブメント】で削りつつ、【空間断裂/ティーリング】で千切りながら分割してるから、受け止められるかな?)


向子は第二解除によって強化された空間能力である、【九蓮宝燈(リバティー)】を行使しながら【黒死蝶の鎧】を着て迎え撃った。

膨大なエネルギーは向子を呑み込み彼女の姿を隠すと会場の二割ほどを破壊。

水が枯れて剥き出しになった深い川底のようなクレーターを作り上げる。


「4割は吹き飛ぶ計算だったが……」


向子は翔と同じように浮遊したまま攻撃に耐え抜き黒死蝶の鎧を解除する。


「まさか数百メートルに渡って大気を震わすレベルの振動能力を得るとはね。アタシの空間振動が顔負けじゃないか。もしかしてまだ上限が有ったり?」


「いやいや。今の(・・)ギルミルキルとしては最大放出でしたけど、あんまり消耗ないんですよ。大半は破降の精霊が(まかな)ってくれますしね」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


やはり今の翔に対抗するにはもっと大きな力が必要になってくるようだ。

そして向子はその力を用意できてしまう。


(限界ならリタイア出来るのになー)


【プラン】に関わる人間の中でも《立華紫闇/たちばなしあん》に直接的な関わりが有る者には戦闘能力が要求される。

いつ何時(なんどき)に彼と融合している上位存在が牙を剥くか解らないのだから。

向子はプランの中枢メンバーであり調整役も担う立場なので弱いはずが無い。


「【制御解除(リベライル)第三解除(ドライアウト)】」


翔の上から重圧がのし掛かってくる。


「うおぉぉぉぉぉぉ!?」


いきなり精神的、肉体的なプレッシャーに晒された翔は逡巡したが決断。


「【炎天双極星・イフリート】」


火龍の精霊が喚び出され、粒子化して翔の両腕を覆い赤色のガントレットとなる。


破降(はごう)・【双天破神・焔魔(えんま)】」


翔は精霊を武装に変えた。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「翔くん、もしかして割りと本気?」

「そりゃそうでしょう。公式戦で破降を使う機会なんて無いですから」


向子は思わず苦笑い。


「まあ今回はこれで締めですよ。これ以上は公式戦だと止められますからね」

「それを聞いて安心したよ」


もし翔が全てを出し尽くすなら見知らぬ地へ飛ばすか速攻で終わらせていた。

向子はそれが可能なのだから。


「もしも向子さんと本気で戦るのなら、何処かの【魔獣領域】か【聖域】でレイアさんやエンドが居る時に戦りましょう」

「分別
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