NO.013 詰め所にて
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イズクは絶賛リムルに白い目を向けていた。
事を遡る事、警備隊の詰め所に連行されて、リムルが中心になって言い訳をしている場面までの事である。
見ていた人達も含めてリムルは、
『実は自分は魔法少女なんですけど悪い魔法使いにスライムの姿に変えられてしまって変身も練習中でさっきの姿はその一つだということです』
とか、嘘に嘘を重ねたカバーストーリーをでっち上げていた。
それでそのホラ話を聞いていた警備隊の『カイドウ』ももうめんどくさくなったためにそれでリムルについては報告書を出そうとしていた。
それで聞いていたイズクはリムルに白い眼を向けているのであった。
【リムルもあとが怖い話をしているよねー。世渡り上手なのか怖いもの知らずなのか】
『まぁ、この場を凌げればいい事だし……僕達はどうしよっか。素直にスキルの一つですと言っても信じてもらえるかな?』
【リムルと同じでなんとかごまかしたら? イズクは見た目だけだったらただの獣人でしかないんだし、ちょっとした服従の発声ができるとかで】
『そうだね』
それでいこうと思っていた時であった。
「それで、次はお嬢ちゃんの方だが―――……あれはなにかのスキルかね? 獣人だったらなにか特殊なスキルを持っていても不思議じゃねーからな」
「え? そうなんですか……?」
「ん? 知らないのか? もしかしてお嬢ちゃんは『ユーラザニア』出身じゃねーのか?」
「その……ユーラザニアってどこかの国ですか?」
「その様子だと本当に知らないようだな。ユーラザニアってのは獣人の民で構成されていて、そしてこの世界に十人しかいない魔王の一人が統治している国だ」
「魔王……」
それを聞いてイズクはというと、
『なんか、思いもしないところでこの世界の情報が手に入ったね』
【そうだね。覚えておいて損はないかもしれないよ】
そう話し合っていた。
「まぁ、服従系の叫びかなんかか?跪いちまった商人とかに聞いた話だと脳に直接語りかけてきたみたいだって話だしな」
「えっと……まぁそんなところです」
実際はもっと使い方によれば凶悪な性能なのだが、ここで話す事ではないだろうとイズクはそれで通すことにした。
それでカイドウは報告書を書いているようで手間が省けたなと思っていた時に他の警備員の人が青い顔をしながらカイドウの場所まで走ってきて、
「隊長! 大変だ! 鉱山でアーマーサウルスが出て、鉱山夫達が何名か傷を負ったらしい」
「なんだと!?それじゃ討伐隊を手配しねぇと!」
「そこは大丈夫です! いま、討伐隊が向かいましたから。だけど怪我人の傷が思った以上にひどい……いま回復薬は戦争の準備で品薄になっちまってほとんどないんだ……」
「回復術師はいないのか……?」
「それが鉱山夫に
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