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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
胸弾むアタシは、名前をもらう
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「1匹残らず殺してあげる…ほら、次は誰?」

実働部隊達に寒気が走る。
こいつはなんだ?さっきと全然違う。
この悪寒は、怖い気持ちはなんだろうか。
まるで凶悪な肉食獣の目の前に立たされたような恐怖が彼らを支配した。

「う、うわぁぁぁ!!!」
「おいよせ!やめろ!!」

一人の屈強な男が情けない悲鳴を上げ、背中を向けて逃げていった。
恐怖に駆られたのだろう。
だがそれは、捕食者側から見れば

「…ひ、ひいぃ!!」
「つーかまーえ…」

かっこうの獲物となる

「たっ!!」

追いかけ、飛びかかって首根っこを掴んだかと思えば、ぐっと力を入れただけで簡単にへし折った。

「二匹。」

息絶えた2匹目の敵をその辺に捨て去り、次の獲物を睨む。
ターゲットは言うまでもない。

「な、なんだお前!こいつがどうなってもいいのか!?」

紫式部を人質にとっている男。

「離せよ。今なら骨五本で勘弁してやる。」
「やれるもんならやってみろ?そうするうちに俺は…ほぉらこうだぁ。」

人質をとっているから絶対にやられないという安心感からか、
男は調子に乗り、紫式部の胸を乱暴に揉みしだいた。

「ッ…。」

それが、男の最期の楽しみとも知らずに

「触るなァァッ!!!」

足元に転がる職員だったものを拾い上げ、簡単に片手で投げつける。
すんでのところで男はかわすが、その代わり人質を手放してしまった。

「え…?」

そして目の前には、一瞬で距離を詰めてきた菫。

「や、やめ…」

足を思い切り踏みつけられる。
女性のものとは考えられない力で潰された足は妙な音を立てた。

「ぎゃあああ!!!!」

悲鳴を上げ倒れる男。
それから菫は痛がる隙すら与えずその男の腕を掴み

「っらぁ!!」

ぐりんと回してへし折る。

「あ、ぎゃ…が…っ!」

痛みが来る。
いや、痛いと思ったらまた別の場所から痛みが来る。
踏まれ、折られ、ヘルメットをとられたかと思えば強引に叩きつけられる。
紫式部に触れた。
これだけで男は万死に値するのだ。

「ほらぁ!頑張って逃げなよ!芋虫みたいに惨めに…さァ!」

四肢の骨を折られ、もがく事しか出来ない男の脇腹に蹴りを入れる。
そうすると男は悶え苦しみ、少しして動かなくなった。

「…。」
「…ひっ!!」

一部始終を見ていた隊員達は1歩も動いていなかった。
いや、恐怖により動けなかった。

「ここは香子とアタシの図書館。お前らみたいなゴミムシが入っていいとこじゃ…ないんだよッ!!!」

戦闘…というより蹂躙と言った方がいいのかもしれない。
武装した男達が、丸腰の女性たった1人にやられる
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