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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第49話:奏にとっての颯人
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タシの頑張りを自慢してやれるのになって思ってね」
「あの…………ずっと気になってたんですけど、奏さんにとって颯人さんってどういう人なんですか?」
「へ?」
翼に対して開き直ってみせた奏に、今度は響が問い掛けてきた。その問いは未来も気になっていたのか、口では何も言わないが目が興味津々と告げている。
「前に颯人さんが奏さんに告白してましたけど、奏さんは颯人さんの事をどう思ってるのか気になって……」
「待って響、颯人さんって奏さんに告白してたの?」
「あ、そっか、未来は知らないんだっけ」
思わぬ所から降ってわいたコイバナに、未来が思いっきり喰いついた。
響の口から当時の事を聞き出す未来を余所に、奏は改めて颯人が自分にとってどういう存在であるかを考える。
大事な人、これは間違いない。そもそも彼女が装者となったのも、元はと言えばノイズへの復讐であると同時に颯人を助ける為でもあった。だが引き離されてからの3年の間に、彼は魔法使いとなり同時に助けられる必要が無くなった。
だが恐らく響が求める答えはこう言うものではないだろう。『大事な人』では具体的にどう大事なのかが欠けている。
どう答えたものか迷う奏。恋人と言うにはまだ告白に答えていないから明言し辛いし、ただの幼馴染と言うには颯人が告白してきた時点で言い訳がましい。
悩む奏だったが、その時突然風が強く吹いて彼女の髪を靡かせた。思わず髪を手で押さえる奏だったが、その彼女の横を木の葉が一枚風に乗って天高くに舞い上がった。
赤と青のコントラストが美しい夕焼け空に消える一枚の葉っぱ。それを見て、奏は最善の答えを思いついた。
「そうだな。強いて言うなら、“追い風”……かな?」
「追い風?」
「そう、追い風。颯人が居るからアタシは何処までも頑張れる。あいつが……颯人が背中を押してくれれば、アタシはどんな高い所へも飛んでいけるんだ」
シンフォギア装者として頑張れたのは、颯人を救うと言う明確な目標があったから。そしてこの2年、ツヴァイウィングがトップアーティストとしての地位を不動のものに出来たのは根っこの部分に颯人からの激励があったからだ。彼が彼女の歌を好いてくれているから、歌手としても何処までも上ることが出来た。
それは偏に、彼が奏を精神的に持ち上げる原動力──即ち追い風になってくれたからだ。彼が居なければここまで来れていたかは分からない。
「だから、追い風ってのがアタシにとっての颯人を的確に表した言葉かな?」
「へ〜……何か良いですね」
「私にとっての未来みたいなものですね!」
「もう!」
奏の答えは響にとって満足のいくものであったらしい。目を輝かせて自分と未来の関係を照らし合わせた。
対して、翼はなんだか面白くなさそう
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