蛇姫たちのハロウィン
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ケイル》よりもずっと大きい建物を前にして、三人でこれからやることをしっかりと確認し、裏切り者が出ないように釘を指しておく。
そして俺たちは扉を勢いよく開いた。
「「「トリックアンドトリート!!」」」
三人で大きな声で建物に入っていく。すると、奥の扉からよく見知った人がこちらへとやってきた。
「ハハッ、レオン、ラウル、シリル殿、それではお菓子といたずらになってしまうぞ」
長く伸びた髭を擦りながらやってきたのはジュラさん。そう、俺たちがやってきたのは彼が今所属している評議院なのだ。
「ムッ・・・それは何の仮装だ?」
「ガチャピーーー」
「それ以上はいけない」
緑色の恐竜のような着ぐるみを着ているレオン。その隣にいるラウルは赤色の毛むくじゃらの着ぐるみを着ており、俺は真っ白な布を被って東洋で言う幽霊に扮している。
「どれどれ・・・じゃあお菓子をーーー」
「永久凍土」
「ごはっ!!」
ハロウィンということで事前に用意してくれていたお菓子をくれようとしたジュラさん。しかし、そんな彼のお腹に勢いよく拳を叩き込むレオン。その大きな音で周囲の警備をしていた拘束検束部隊の皆さんが何事かと慌ててこちらへとやってきました。
「お菓子ももらいます!!」
「いたずらもします!!」
「両方必須です!!」
「それただの強盗じゃねぇか!!」
ハロウィンの根本を壊す宣言をした俺たちにジュラさんを懐抱していた一人が声を荒げる。えぇ、間違いないです。でもお菓子も欲しいし最近戦う機会も少なくなってるから、体も動かしたいんだよね。
「取り押さえろ!!」
「子供だからと油断するな!!」
「全力でかかれ!!」
俺たちがただお菓子をもらいに来ただけじゃないことを理解した途端、彼らは容赦なく襲い掛かってくるが、彼ら程度の攻撃が当たるはずもなく、次から次へとーーー
「おい」
「「「!?」」」
凪払っていると、突然俺とレオンの頭を後ろから掴む人物が現れ、持ち上げられる。
「お前ら何をしてくれとるんじゃ?おい」
「ウルフヘイム様!!」
人のそれとは思えないほどの大きな体と歪な体。それが接収だと気付くのに時間はかからなかったが、頭を掴まれて宙吊り状態の俺たちには何をすることもできない。
「お前らどうなるか・・・覚悟はできてるんだろうな?おい」
「「「すみませんでしたぁぁ!!」」」
お菓子ももらえて暴れることもできて一石二鳥でハロウィン最高!!とか思ってたのに、まさかの強そうな人に掴まってしまい説教をされるという結末。ただ、一通り怒られた後にちゃんとお菓子はくれたので、食いしん坊のレオンは気落ちすることなく帰路へと付いていた。
「ひどい目に遭ったよ・・・」
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