蛇姫たちのハロウィン
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トリックオアトリート!!」
そんなお話をしていたところに勢いよく入ってくる小さな影。その声で誰だかわかったので、振り返ると・・・
「きゃああああ!!」
思わず悲鳴をあげてしまいました。
「何!?どうしたの!?」
「どうしたの!?ウェンディ!!」
「急に大きな声出して〜」
私の声にびっくりした皆さんもそちらへと顔を向けます。その瞬間、皆さんも入口にいる小さな存在に顔を真っ白にしていました。
「あれ?皆さんどうしたんでありますか?」
私たちが恐怖していた理由・・・それは扉の前に真っ白な着物に顔から血の汗を垂れ流している、東洋でいう幽霊がいたからです。
「その声・・・サクラか?」
「はい!!そうであります!!」
リオンさんの問いに嬉々として答えるサクラ。声は確かにサクラなんですけど、髪も長くなっており、見た目はお話に聞く幽霊と見分けがつきません。そのあまりの怖さに私はシェリアに抱きついて体を震わせていました。
「それはさすがにやりすぎだろ・・・」
「オオーン」
「呪われそう・・・」
「えぇ!?そんなにでありますか!?」
皆さんもかなり怖いらしく声が震えているのがわかります。ただ、サクラはそんな気は全然なかったらしく、首をかしげていました。
「そんなことより!!トリックオアトリートです!!お菓子くれなきゃいたずらしますよ!!」
一番年少なだけあって、きっとこの日を楽しみにしていたんだと目を見るとわかります。でも、ここまで怖がらせられると、普通にお菓子をあげるのが悔しいのか、皆さんお菓子をあげようとしません。
「サクラはどんないたずらをするんだ?」
すると、リオンさんがニヤリと笑みを浮かべて彼女に問いかけます。きっとお菓子をもらえるのが当たり前だから、いたずらすることなんか何も考えていないのだろうと、ちょっとした意地悪を仕掛けているようです。それだけあの仮装に彼も驚かされたということなんですね。
「う〜んと、う〜んと・・・」
考えていた通り、いたずらの内容を考えていなかったサクラはうんうん唸りながら考えています。
「あ!!」
しばらくすると、どうやら何か思い付いたらしく、手をポンと叩きます。そして彼女の口から発せられたのは・・・
「耳元でリオンさんがいやがりそうなことを囁きます!!」
なんだか腹黒さが滲み出ているいたずらというよりも嫌がらせに近い行為でした。
「ほお、どんなことを囁くんだ?」
「耳を貸してください」
面白そうだと思ったリオンさんがしゃがんでサクラに耳を預ける。サクラは周りの人に聞こえないように彼に何かを言っていますが、次第にリオンさんの顔が楽しんでいたものから徐々に変わっていました。
「もう・・・
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