NO.011 外伝・ヴェルドラの観察日記1
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しかし、次の瞬間にはまたこの小娘イズクに驚かされた。
リムルの薬と同等の治癒スキルで幾人もの怪我人の傷を瞬く間に塞ぎ追った。
それだけではない。
我の勘違いでなければ治癒のスキルを使うために使用したであろう魔素が減るどころか逆に増えておる。
これはどういうことであるか?
特殊なスキルを持っているという事なのか?
我の探求心が妙に騒ぎおる。
この小娘のスキルの事を知りたいと……。
それからリムルが先導して村の家に使われていた木材で柵を作って粘性や鋼製の糸などを使い、迎撃態勢を整えていく光景を見せられて、なるほど……こういう風にしてリムルだけが戦わずにゴブリン達にも戦わせるという事か。
リムルならおそらくは本気を出せばただの狼共などすぐに殲滅できようものぞ。
リムルは策士でもあるのだな。
しかし、いざ狼共が攻めてきたときには最初はうまくいっていたが、少ししてゴブリン共の悲鳴が聞こえてきてリムルは焦り出す。
どうやら別働隊がいたようであるな。
だが、それもあの小娘のおかげなのかなにやらひと際大きい叫び声が聞こえてくるとあちらの方で動いていた気配が一斉に途絶え追った。
殺してはいないのだろうが、それでも無力化したのであろう。
リムルもリムルで狼共のボスを打ち倒し、さらにはボスを吸収して擬態して威圧を放ち、てっきり逃げ出すものと思われた残りの狼共はなんとリムルに服従してしまった。
まこと魔物はこういう時は強き者に従うという習性があるが、うまいこと事が運んだようでよかったものだ。
しかし、その後になにやら小娘によってリムルはスキルの使用を制限されてしまった。
むー……なにやら面白くない展開であるな。
スキルは使ってこそのものなのに、あまり使うなというのはこれ如何に?
我としてもこの小娘に不満を感じ始めたぞ。
そう思っていた時も我にはあった。
その夜中の時にまた小娘がやってきて今度は何を話すと思ったら、なんとリムルに謝罪をしてきたではないか。
どのような心変わりをしたのかは知らないが、先ほどの発言も撤回してスキルも自由に使って構わないという。
なんぞ変化があったのか俄然我も興味が湧いてきた。
それでリムルは小娘にとあることを聞いた。
「でも。なんかイズクって年上な感じがするよな。ちょっと活発だけど冷静だし、牙狼族の奇襲も読んでいたみたいだし」
「まぁ。生前の勘って奴かな」
「生前? ってことはやっぱりイズクも!」
「ということはやっぱりリムルさんも?」
「「転生者!!」」
というやり取りを聞いていた我はさらに驚いた。
まさかこの小娘も異世界からの転生者だったとは。
こうも目新しい出来事が連続で続くと我も驚愕ものよ。
しかも、リムルとの会話に微妙なズレが生じてい
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