第四部
準決勝第一試合 3
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翔が攻撃を中断し向子も動きを止める。
「……来るか」
破降を幾つ出して来るのかは彼女にも解らないが、破降が一つだけであっても翔が大幅に強くなることは確実。
「みんな飛ばしといた方が良いね。限られた人間は残しとくけど」
【制御解除・第二解除】
向子の【間移転門】がもう一段階制限を外したことで【九蓮宝燈】へと強化。
水色のオーラを放ち、藍色の霧にも見える何かを散布するようになった。
会場に居る数千の一般人を【空間跳躍】で安全なところまで転移させる。
「これ以上の制御解除はしたくないなあ。翔くんと戦うのは兎も角として正直めんどい」
真面目にやるのは向子の性に合わなかった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「【爆熱炎隼神・ホルス】。【白光炎隼神・ホルス】。橘花翔の御名に於いて招き通ず」
翔は【聖域】で倒した【精霊】を調伏し、自分の式神にしているようだ。
しかしそれはどんな精霊でも仲間にしているわけではなく、彼なりにきちんと選んだ上で、限られた数だけ契約した結果。
[最下級]や[下級]の精霊は兎も角[中位]から先の精霊は調伏の可能性が低い。
【旧支配者】や【古代旧神】のような【上位存在】を餌にすることも有る[上位]の精霊を倒して調伏出来る者は珍しかった。
「破降。【ギルミルキル】」
二羽のホルスは粒子化すると、翔が足に装備している赤い具足の魔晄外装へ吸収された。
すると急に彼と向子が立つ武台が震え出し、遂には激しく砕けて飛び散ってしまう。
利用者は浮遊して対峙。
(飛行能力に加えて20倍でも到底効かないような出力アップと武台を破壊した何か。やっぱり翔くんの破降は結界を増やしてなかったらこの会場が持つようなレベルじゃなかったね)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
向子は悩む。
【破魔砕星】で【魔晄】に干渉されているせいか、魔術師としての力が不調気味なのだ。
このままだと魔晄防壁なしで戦いに臨むことになるので不味い状況である。
「しゃーない。割り切って行こう」
向子は魔晄を止めて外装も消す。
ほぼ全てのリソースを空間能力へ。
(元々こっちが本来のスタイルだからね)
向子は一瞬で姿を消し、一瞬で翔の頭上に現れると上から清々しい顔を見せた。
「翔くんのギルミルキルが破降でどれだけ強くなったのか楽しみだなあ。第二解除したアタシで足りるのか。それとももっと出さなきゃならないの
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