第五幕その十
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「それならね」
「それじゃあね」
「それで誰が乗るのかな、いや」
ここでバイソンはこう言いました。
「皆順番で乗る?」
「僕達全員がだね」
「そうする?」
こう提案するのでした。
「これから」
「そうしていいんだ」
「うん、順番でね」
「それじゃあ」
「君達が順番で一人ずつね」
そうしてというのです。
「乗ればいいよ」
「それじゃあ」
「そうしてね」
こう言ってでした、そのうえで。
五人はジャンケンをしてそうして順番にそのまだ若いバイソンの背中に乗りました。つぎはぎ娘も他の皆もそれぞれバイソンの背中に乗っています。
その中で、です。ドロシーは雌のバイソンの背に乗って言いました。
「こうしてバイソンに乗ると」
「どうかしら」
「ええ、お馬さんに乗る時とはね」
「また違ってなのね」
「面白いわ」
「そうでしょ、それにオズの国では」
こうも言う雌バイソンでした。
「バイソンの背中に乗るとね」
「幸運が訪れるっていうわね」
「ええ、そして乗せたバイソンもね」
「幸運が訪れるわね」
「そう言われているから」
だからだというのです。
「私達もね」
「背中に乗ってもらいたいのね」
「そうなの」
自分達にしてもというのです。
「そこはね」
「お互いってことね」
「お互いが幸せになればこんないいことはないでしょ」
「ええ、それはね」
実際にとです、ドロシーも答えます。
「そのことはね」
「オズの国は幸せに満ちているけれど」
「今以上に幸せになればね」
「尚更いいわね」
「幸せに限りはない」
「何処までも幸せになれるわね」
「ええ、だからね」
それでというのです。
「私達もなのね」
「お互い幸せになる為に」
「私が乗ってね」
「私が乗せるの」
まさにお互いにというのです。
「そうしたのよ」
「そういうことね」
「ここで踊っていいかしら」
つぎはぎ娘はこんなことを言いました、見ればトトはドロシーが抱いていて臆病ライオンと腹ペコタイガー、木挽きの馬以外の皆がバイソン達に乗っています。
「そうしても」
「ここでも踊るんだ」
「駄目かしら」
「いや、踊れるの?」
つぎはぎ娘を乗せているバイソンが彼女に聞きました。
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