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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
閉会〜金帰火来には遠すぎる〜
復興の国〜エル・ファシル共和国にて〜(下)
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よかったら、みんなで夕飯でも食べないかい?」



 エル・ファシルの寂れた飲み屋をホアンは貸し切っている。周りにいるのは組合の仲間だけだ。
 開始から30分ほどが経ち、適度に盛り上がっているところ、ホアンはカメーネフと対面の席に呼び出した。
「さて、カーメネフ君。話の続きが聞きたいね、君はハイネセンの『偉い人間』達をどう思っている?」
 
 そう促されるとカーメネフは少し緊張した様子でビールを一リットル飲み干すと口を開いた。

「俺はね、ホアンさん。以前はこう見えても軍にいたんですよ――なんですか笑って下さいよ、持ちネタなのに。まぁいいや、ハイスクール時代に両親が死んじまってね、まだちんまかった弟を食わせるために入ったんです。勿論ひどい目に遭いましたよ。でも俺のような学のない人間でも弟を養えるだけの給料は貰えました。知ってますか?同じ10代ならエル・ファシルで仕事を探すより兵隊の手取りの方が儲かるんですよ。おかげで弟はハイスクールもちゃんと卒業して専門学校で俺よりもいい資格を取ってくれました。
でもあの第4次イゼルローン攻防戦で負傷しましてね、脇腹を思いっきりやられました。今でも傷跡が残ってるんですよ。それで除隊になったんです」
 ジンをストレートで飲み干し、グレゴリーは脇腹を撫でた。

「軍隊は嫌いかね?」
 ゆっくりと焼酎のお湯割りを楽しみながらホアンが尋ねるとグレゴリーはテキーラのグラスを傾けながら快活に笑った。

「まさか!恨んではいませんよ!感謝しているくらいです、軍の紹介を受けてこの港で働きだしたんです。幸い俺は負傷したといっても働くことに支障はないので必死に働きましたよ。おかげで周りにも認められて、組合に誘われて‥‥‥いつの間にやらグレッグなら委員長を任せていいんじゃねぇか?って港湾労働組合のおっちゃんたちが言ってくれるようになりました。今の生活があるのは軍のおかげなんですよ!」

「なるほど、軍のおかげ、か」
 グレゴリーはウォトカをグラスの霜が溶けぬうちに飲み干し、珍しく落ち着いた口調で言った。
「ホアンさん。俺は軍隊のおかげでここまで来れました。だからこそ、一部のバカが言う民主主義の聖戦だなんて馬鹿じゃないか?なんて思います。おらぁね、戦争なんて大嫌いです。それはここで呑んでるダチも、上司も、それこそエル・ファシルのエラい人達だってみんな同じことを思っています。でもね、戦争が嫌いだと言っても帝国の連中は容赦なく攻めてくるんですよ。理不尽な暴力がいつ襲ってくるか分からないから俺達は戦争が大嫌いなんです。聖戦だなんて馬鹿じゃないですか?俺達は生きるために必死に戦ってるんですよ。その時に、俺達を、仲間も家族も、いざという時に守ってくれるのは軍だけなんです!そりゃぁここは交戦星域といっても多少は前
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