第二章「クルセイド編」
第十六話「黒と金」
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「少し寝てろ頑固野朗。」
それはどういう意味だと聞く間もなく、ただ攻撃を受けた。
(目が覚めたら…この足は治ってるんだろうか)
今度こそ痛みもなく、リオンは意識を手放していった。
エドワードは目を丸くした。
「随分速いお帰りじゃないかエレギオ、ジャック。」
「まあな。一応怪我は無いけど見てくれ。」
「あいよ…それより外のあれはなんだ?」
窓から見えた戦いの事を暗に口にした。
エレギオは即答した。
「試した。」
「なるほど、まあ頭は悪くない奴だからお前の意思も酌めるだろうよ。」
「それを聞いて安心した。馬鹿にはわからない事だからな。」
既に先ほどの戦いで気絶したリオンは彼の部屋に逆戻りしていた。
エレギオは苦笑した。
「車椅子に乗りながら俺の魔力弾弾いたぜ。何者だよあれ、どっかのサイバー戦士かなんかか?」
「自分で拾った奴を傷つける奴が言うか。」
「悪い悪い、でもエドよお。俺は魔道士としては火力でガンガン押す派でもないし手加減してたけど……それでもれっきとしたエース級魔道士の魔力弾だぜ?しかも一発目は不意打ちだったってのに弾いた。そりゃあフツーに気にならない?」
「お前不意打ちもしたのか、やり過ぎ。」
「うっせ、それも非殺傷設定だっての…ちょい話がずれたけどどうよ?」
「お前俺が魔法にあんまり詳しくないの知ってて相談してるだろ?………まあ気になるな。」
「だろ?」
エドワードが入れたコーヒーをエレギオも口にし始めた。端から見ればまるで親子のようだ。特にエレギオは比較的童顔(無論これはエレギオのコンプレックスである)なのでそう見える。
「何かの特殊戦闘員…とか。」
「何かってなんだよ、あれが一介の戦闘員だったらそれはもう神秘の世界だぜ。」
「そんなにか。」
「もしアイツが万全の状態だったら俺より強いのは間違いないな。」
「そうか…」
「なんだ、案外驚かないのな?」
「お前と関わってればこの位どうってことはないさ。」
「俺達、の間違いだろ?」
「主にお前だ。」
「そりゃあないぜ。まるで俺が疫病神みたいじゃないか。」
「自分の胸に今までの所業を聞いてみろよ。」
エレギオは首を竦めた。思い当たる節は………正直な所、有り過ぎる。
反論などできる筈もない。
「だってよぉ…」
「だって?」
「緊急事態ってのは突然嫌って来るものじゃねえかよぉ。」
「お前の場合その緊急事態って名前の嵐に全速前進するからいけないんだろうが。少しは自重しやがれこのスットコドッコイ。」
「スットコドッコイ……それ、死語だぞ。」
「なんだ、俺
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