第5章 魔術師の祭典
第92話『ミーティング』
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すだけならいいけどよ……でも、ぶふっ!」
「部長〜!」
どうもツボに入ったらしく、終夜の笑いが止まらない。
そして彼は腹を抱えてひとしきり笑った後、息を整えながら説明してくれた。
「まぁ知らねぇなら仕方ねぇよな。言っておくと、俺らの去年の成績は『予選落ち』なんだ。つまり、そもそも本戦にすら進んでねぇんだよ」
「そ、そうだったんですか……」
ここで衝撃の事実が発覚。終夜や緋翼はかなりの実力者だと思ってたが、世の中にはそれより上がいるということらしい。
そうなると、さっきの晴登の啖呵は無謀そのものだ。これは恥ずかしい。
晴登が再び肩を落としていると、その肩にポンと手が置かれる。
「笑って悪かったよ。まぁでも──このメンツならもしかしたら、な」
そう言って、終夜はニカッと笑みを浮かべてみせた。
*
こうして概要を説明するだけで、ミーティングは終わりを迎えた。
今は久々に中庭に出て、各々魔術の調整をすることになっている。
「空を……飛びたい!」
「だったら飛べばいいじゃねぇか」
「ダメなんだよ! 少しでも角度がズレると、頭から地面に落ちちゃうから危ないんだ」
「ふ〜ん」
晴登の言葉に伸太郎が相槌を返す。
今日は彼だけじゃなく、終夜たちもいるのだ。秘めた願望を叶えるにはもってこいの日だろう。林間学校の時はこれができなくて遠回りをしてしまったが、必要になる時があるということはわかった。やはり飛行は習得しておくべきだ。
「部長たちは空とか飛べたりします?」
「いや、さすがにそれは無理だな。ただ身体能力を向上させて、ジャンプ力を上げることはできるぞ」
「うーん……」
確かに"風の加護"を使ってそれっぽいことはできるが、しかしそれを「飛ぶ」とは言えない。飛びたいのだ。鳥のように自由に空を舞ってみたい。
「私は飛ぼうと思えば飛べるけど……」
「飛べるんですか!?」
「う、うん。でも、あんたの参考にはならないと思う」
「そ、そうですか……」
せっかく手がかりが近くにあると思ったのだが、緋翼にバッサリと否定されてしまった。
それにしても、緋翼が飛べたこと自体初耳である。参考にならない飛び方ってどんなだろ……?
「そう肩を落とさないの。そういうことは、同じ風属性の魔術師に訊くのが一番よ」
「そうですよね……」
「いい機会じゃない。魔導祭で探してみなさいよ。風使いの1人や2人くらいいるでしょ」
「うーん……」
魔導祭までに会得したいのに、魔導祭で教えてくれる人を探すのは本末転倒である。
しかし、それしか手がないのもまた事実。我流じゃ全く
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