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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第91話『恋人』
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間が生まれる。
繋いだ手から伝わる結月の体温が、いつもより高く感じるのは気のせいだろうか。


「……ハルト、この後ってどうしたらいいの?」

「え!? いや、俺もわかんない……」


恋愛経験が無いため、手を繋いだりキス以外に恋人がするようなことがわからない。
マンガでも『付き合ってハッピーエンド』という展開が多く、その先は晴登にとって未知の世界なのだ。

だから、今できることは1つ──


「と、とりあえずこのまま帰ろうか」

「そ、そうだね」


ささやかなドキドキを享受することにした。







「「ただいま」」

「あ、お帰り、お兄ちゃん、結月お姉ちゃん!」


家に着くと、智乃が出迎えてくれた。
久しぶりの再会が嬉しいのか、いつも以上に元気いっぱいな笑顔を浮かべている。


「……あれ、なんか雰囲気変わった?」

「「えっ!?」」


しかし一転、訝しげな表情になる。
まさか、付き合い始めたことに気づいたとかじゃないだろうな。ドアを開ける前に手は離したし、気づかれる要素はないはずなのだが──


「なんか2人とも、いつもより距離が近い気がする……」

「そ、そんなことないぞ!」

「うんうん、こんな感じだったよ!」

「う〜ん、なんか怪し〜」


智乃の疑いの目は消えない。女の勘、とかいうやつだろうか。侮れない。
……別に隠す必要はないのかもしれないが、今日散々いじられたのだ。そんな展開はもう勘弁なのである。


「ま、いいや。夕食になったら呼ぶから、それまで休んでていいよ」

「ありがとう、助かるよ智乃」

「えっへん。私はできる妹なんだから」


智乃が小さな胸を張ってドヤ顔した後、2階に上がっていくのを見て、晴登と結月は大きく息を吐いた。


「な、なんかドキドキするね……」

「隠れて付き合うって、こんな気分なのかな……」


よくわからない感情を共有したところで、晴登たちも2階へ上がるのだった。






夕食を終え、部屋に戻って夏休みの宿題をしている時、彼女は訪れてきた。


「ねぇハルト、一緒にお風呂入らない?」

「……は?」


ドアの所に立ったまま、恥ずかしそうに訊いてくる結月。あまりに突飛な話に、晴登は驚きを隠し切れない。


「だから、お風呂」

「いや聞こえてるけど……何で?」

「せっかく恋人同士になったんだから、風呂ぐらい一緒に入るものかなって」

「え、そうなの!?」


結月の意見に、晴登は半信半疑で問い返す。ただのカップルで、そこまでするものなのだろうか。
しかし、既に同棲している時点でただのカップル
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