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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜絶望と悲哀の小夜曲〜
圏内事件〜呼び出し編〜
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視界右下端の数字が、ちょうど午後二時を示した。

普段なら、昼飯タイムを終え、迷宮区攻略にいそしんでいるはずだ。しかし今日はもう街から出る余裕はあまりないだろう。

その原因達は目の前にいるのだが。

しかし、レンのジト目がはたして解っているのかは怪しいところだ。

なにせ、その張本人であるキリトとアスナは絶賛イチャイチャ中だからだ。

あの鬼をも黙らせる《閃光》は、アルゲードの裏通りの謎ショップを冷やかしたり、どこに続くのか解らない暗渠を覗き込んだり──レンと同じく若干引き気味なキリトの視線に気付くと、ん?という感じで首を傾げつつ微笑んだりもするではないか。

「どうしたの?」

訊かれ、キリトはぷるぷるとかぶりを振った。

「い……いえ、なんでもないです」

「変な人。今に始まったことじゃないけど」

くすりと笑い、両手を腰の後ろで組み合わせて、ととんとステップを踏むようにブーツの踵を鳴らす。

キリトが視線でヘルプを求めてきた。会話しているうちに怖くなったらしい。

実際、レンも怖い。これが本当に自分を無理矢理引きずり込んだ攻略の鬼と同一人物なのだろうか。

などと考えているうちに、やっとこ前方から転移門広場の喧騒が近づいてきた。

キリトが咳払いを一つし、話し始める。

「ウホン……さてと、次はシュミット主将に話を聞くわけだけど。考えてみたら、この時間、DDAも狩りに出てるんじゃないの?」

「んー、それはどうかしらね」

微笑を消したアスナが、華奢なおとがいに指先を当てて答えた。

「ヨルコさんの話を信じれば、シュミットさんも《指輪売却反対派》の一人で………つまりカインズさんと立場を同じくしているわけよね」

ここでレンが話を挟む。

「本人にも自覚があるみたいだしねー」

それに頷くアスナ。

「謎の《レッド》に狙われている………そんな状況で圏内から出るかしら」

「ああ……言われてみれば、そうかもな。でも、その《レッド》は、圏内PK手段を持ってる可能性が高いんだぜ。街に居ても、絶対に安全とは言い切れない」

「だからこそ、せめて最大限の安全を確保しようとするでしょうね。宿屋に閉じこもるか、あるいは………」

そこまで聞いて、ようやく解ったキリトはぱちんと指を鳴らし、続ける。

「あるいは《籠城》するか、だな。DDAの本部に」










最強ギルドのひとつ聖竜連合は、六王との仲が悪い。

いや、仲が悪いというレベルでは言い表せないほどの悪さだ。

理由は単純。攻略の実質的な決定権が六王側にあるからだ。例えば、ボス攻略戦でのプレイヤー達の配置場所、役割分担、チーム分けなどである。

これらが、いかに重要
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