第二百八十五話 色鉛筆その四
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「借金凄かったらしいよ」
「借金までして遊ぶことも」
「凄いよね」
「お金あったのよね、勝新さん」
「あるにはあったよ」
このことは間違いなかった。
「凄い映画に出ていたから」
「そうよね」
「けれどね」
「稼ぐ以上になのね」
「遊んでお金使っていたから」
だからだったという。
「借金凄かったんだ」
「色々スケールが違うわね」
「その結果ね」
まさにその為にだ。
「この人も波瀾万丈の人生だったんだ」
「色々言われてるわね」
「それでお酒の飲み方も」
今の主題のこのこともだ。
「テキーラ一気とかね」
「テキーラって」
「メキシコのね」
モンセラさんのお国だ、そしてテキーラとはリュウゼツリンから作るお酒だ。アルコール度はかなり高い。
「それを飲んでいたらしいんだ」
「一気になのね」
「他のお酒も飲んでいたけれど」
「強いお酒もなのね」
「かなり飲んでいて」
それでだ。
「やっぱりね」
「酒豪だったのね」
「そうみたいだよ」
「あの人も」
「けれど僕はこの人達みたいには飲めないから」
正直絶対に無理だ。
「とてもね」
「ウイスキ―五本とか」
「もう桁が違うよ」
そこまで飲めるとか想像も出来ない。
「本当にね」
「私も絶対に無理よ」
香織さんもだった。
「本当にね」
「そうだよね」
「普通の人にはね」
「それだけ松方弘樹さんが強かったってことだね」
「滅茶苦茶強かったのね」
「もう思いきり飲んで」
そしてだ。
「豪快だったらしいよ、ただ人として悪い噂はね」
「ないわよね」
「面倒見のいい人らしいよ」
この人にしてもだ。
「器の大きいね」
「大スターらしい人だったのね」
「勝新太郎さんも同じでね」
「そうした人って本当に」
「今はいないよね」
「そうよね」
時代が変わってだ。
「無頼派みたいな人って」
「ここで昭和二十年代になると」
この頃だとどうなるかというと。
「そこに麻薬も入るからね」
「ああ、ヒロポンね」
「覚醒剤ね」
昔は覚醒剤をヒロポンと呼んでいたというのだ。
「それも打ってね」
「もうそれ無頼っていうか」
「もっと酷いね」
「麻薬はね」
これはとだ、香織さんはこう言った。
「人間止めたっていうか」
「廃人一直線だね」
「絶対にやったら駄目で」
「無頼派以前だね」
「遊ぶ位なら無頼派だけれど」
それでもというのだ。
「麻薬は手を出したらね」
「人間止めるんだね」
「実際にそうなってるわよね」
「覚醒剤中毒の話怖いよ」
怪談よりもさらに怖い。
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