第二百八十五話 色鉛筆その三
[8]前話 [2]次話
「それであまり飲まないんだ」
「お酒好きよね、義和のお父さん」
「お酒に女の人がね」
この二つがなかったら俺は死ぬとか笑って言う位だ。
「もう人生だよ」
「そこまでの人よね」
「だからね」
「お酒もよく飲むのね」
「けれどビールはね」
「痛風になるからなのね」
「あまり飲まないんだ」
これがだ。
「どうもね」
「健康に気をつけてるの」
「だから日本酒も飲むけれど」
それよりもだ」
「ワインの方をよく飲むね」
「そっちなのね」
「あとブランデーとかウイスキーも飲むよ」
蒸留酒もだ。
「それもどんどんね」
「酒豪?ひょっとして」
「ウイスキーのボトル五本空けたことあるから」
「立派な酒豪ね」
「飲むことなら松方弘樹さんにも負けないって言ってるよ、女の人でも」
あの俳優だった人にもだ。
「それでなんだ」
「ウイスキー五本空けたの」
「あっという間にね」
家で飲んでいる時だ、僕の目の前で美味い美味ち言いながら飲んでいた。肴はナッツ類で僕も飲んでいた。
「飲んだよ、それで次の日は流石にね」
「二日酔いね」
「そうなってね」
それでだ、
「こうした時はこれだって言って」
「どうしたの?」
「お風呂に入ったよ」
「それでお酒抜いたのね」
「それで仕事に行ったよ」
「無頼ね」
「うん、もう日本じゃ少なくなったタイプだよ」
親父曰く俺はもう時代遅れとのことだ。
「あれだけ飲んで遊ぶね」
「無頼派の人って本当に減ったわね」
「小説家でもタレントさんでもね」
誰でもだ。
「本当にね」
「いなくなったわね」
「皆真面目になったのかな」
そう思た、実際に。
「やっぱり」
「だからよね」
「そうした人も減ったんだよ」
豪快どころか破天荒に遊ぶ人がだ。
「今は」
「松方弘樹さんみたいな人が」
「あの人は最後の方かな」
徹底的に遊ぶ人はだ。
「もうね」
「あの人の遊び方って凄かったのよね」
「あと勝新太郎さんも」
この人はさらにだ。
「凄かったらしいよ」
「あの人も有名よね」
「サービス精神が旺盛な人で」
色々物凄い逸話があるけれど面倒見は凄くいい人だったらしい。基本は善人であったと言われている。
「一緒にいる人どころか相手してくれる人達にも奢っていて」
「お金散財していたのよね」
「もう普通の人じゃ考えられない遊びをして」
親父も驚く位だ、親父も東京の銀座とかで飲む場合もあるらしいけれどそうしたお店の女の人に貢いだりはしないらしい、そうしたお店では雰囲気を楽しむものだというのが親父の遊びのスタンスとのことだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ