第六十五話 ヒューロー湖畔の戦い・前編
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終えた武偵隊は、補給の為にアワサらの居る悪霊の滝に帰還していた。
頼み事をしにアワサに会いに集落に立ち寄ったアニエス達は、滝の近くで戦闘準備をしているアワサ達を見つけた。
「アワサ!」
「あら、アニエス。お帰りなさい」
アニエスの姿を見つけたアワサは、手を振って応えた。
「何やってんの?」
「何って、戦闘の準備よ。元々は私達の戦いよ、アニエス達だけを戦わせる訳にはいかないわ」
アワサは、そう言って愛用のウィンチェスターM1866で、自分の肩を叩いた。
「で、アニエスも隊長さん達を連れて何の用?」
「アニエスから聞いてな、あの滝の裏で面白いものを見たって聞いたから着いて来た」
「実はアワサに頼みがあるんだ。前に滝の裏の洞窟で『場違いな工芸品』を見ただろう? その中の鉄の牛を譲って欲しいんだ」
「鉄の牛を? 良いわよ、動かし方も分からないしね」
「嬉しいけど、アワサが決めていいの?」
「前に言ったでしょ。ここは禁断の地なのよ。最初は私以外、誰もあの洞窟に近づこうとしなかったから、あの洞窟の物は、原則私の物なのよ。デガナヴィダも認めたわ」
「そうなのか」
「そういうことよ、早速行きましょ」
アワサは、アニエス達を洞窟へ誘う。
洞窟内に入ったアニエス達は、真っ先に軍用車両の所に行った。
アニエス達の目の前には、弾の無いM2重機関銃と錆び付いて動かない軍用車両が変わらず鎮座していた。
「ヒューゴ。お前の出番だ。」
「りょーかい。一時間で使えるようにしますよ」
ヒューゴは、機械の整備や運用に精通している。お調子者だが彼もコマンド隊だった。
「あ、そうだ。デガナヴィダが隊長さんを呼んでほしいって言ってたわ」
「分かった、会いに行こう。アニエスは、重機関銃の弾を持ってきたから軍用車両の機関銃に備え付けておいてくれ」
「了解」
数分後、デヴィットとアワサは、集落に戻るとデガナヴィダは先住民の戦士達は勢ぞろいしていた。
「これは一体……」
「あなた方のお力のお陰で、敵の本拠地は空となっています」
「そこで我らは悪霊ウェンディゴを倒す為に、敵の本拠地へ出撃する」
戦士達がデガナヴィダの代わりに説明した。
「そのウェンディゴをどうやって倒すの?」
アワサがウェンディゴの倒し方を聞くとデガナヴィダが応えた。
「大精霊の力を借りる」
「大精霊が?」
「左様、大精霊なら悪霊を倒せる」
デガナヴィダは、言いたい事を言うと、また黙った。
「……それならば、我々も同行しても宜しいでしょうか?」
「でも隊長さん、自分達の任務は良いの?」
「誘引任務は完了し
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