間章
間章1 虜囚の嘆き
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くにじり寄る音にデュランは目の前に迫る異形の怪異を注視した。
おそらくはあの2人が現場指揮官なのだろう。2人は追い詰められたデュラン達を前に名乗りを上げる。
それに反応するかのように部下の騎士達は国王であるデュランを守ろうと一歩前に出る。
「俺は日本アルプスに住む人食いサンショウウオの怪人、ザンジオー様だ!!至高なるショッカーに歯向かったことをあの世で後悔するがいい!!!」
「俺はクライシス最強の戦士…怪魔ロボット、シュバリアン!!偉大なる大首領様とクライシス皇帝陛下からの勅令により貴様らを始末する!!!」
するとザンジオーと名乗った怪異はシュバリアンと名乗った鉄の人形に対して呆れたような様子を見せた。
「全く、これだからクライシスの奴らは……。最強、最強ってよく自分から言えるな……言ってて恥ずかしくならないのか?」
「うるさい!実際に最強なのだからいいではないか!!」
こちらを無視して会話を続ける。我ら連合諸王国軍のことなど眼中にないようだった。それに対してデュランを護る騎士が拳を握りしめて怒りの声を上げる。
「蛮族が舐めやがって!!我らのことなど取るに足らぬと言うのか!!??」
その騎士の言葉がシュバリアンの神経を逆撫でしてしまった。シュバリアンは叫ぶようにして早口でまくし立てる。
「蛮族だと!?愚劣な異世界人風情が!!??クライシス最強の俺を!?死にたいのか!?そんなに殺して欲しければ今すぐ殺ってやる!!」
すると金属製のカギ爪状の腕を広げ、黄色の光がシュバリアンの胸部に一気に貯められる。
キュイイイイイ………!!!!
「死ねぇぇぇ!!!」
ズガンッ!!!
黄色の閃光がシュバリアンの胸から打ち出され、デュランの前にいた部下達は一瞬にして消し炭となる。衝撃波でデュランも地面に背中を打ちつけて倒れてしまった。
(一体何が起きたんだ?……兵達は何処に消えた…?)
突然のことに何をされたのか分からず唖然とする。さらに頭を強く打ちつけたせいで次第に意識が朦朧としてくる。
「ん?貴様の着ている鎧……異世界人にしては不相応なほど豪華だな……もしや指揮官か?」
「かなり高い身分の者のようだな、戦闘員共!コイツを捕らえよ!!」
もはやこれまでか………。
朦朧とする意識の中、両脇を戦闘員に固められ、拘束される。
こうしてエルベ藩王国、国王デュランはショッカーに捕らえられたのだった。
そして現在に至る。
「帝国属国の国王ということもあって他の捕虜に比べればそれなりには厚遇されている。しかし奴らは帝国だけでなくその属国である我が王国も滅
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