間章
間章1 虜囚の嘆き
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不気味な寄声が起きた。驚き、辺りを見回すと怪異達が骸骨風の模様の珍妙な黒服や青と?と赤の派手な服を着た異世界兵を何万人も引き連れてこちらに向かって四方八方から突撃してきた。
敵が突撃してきている。ただそれなのにで空気は振動し、地響きが起こる。
突撃してきた異世界兵の軍勢が連合諸王国軍と激突し、連続した爆発音や断末魔、負傷者の悲鳴や呻きが大地を支配する。
爆裂攻撃から生き残り、ショッカーの戦闘員達と戦うことになった兵士達はそれぞれ違った反応を見せた。
足を引きずりながら逃げ惑う者、無謀にも立ち向かおうとする者、神に助けを請う者、怨嗟を吐露する者、耳を抑えてうずくまる者、恐怖で動けなくなり、命乞いをする者……。
「神様、神様、助けてくださ……グワァ!熱ィィ!!」
「蛮族が!正々堂々と戦え!!」
「ご慈悲を!ご慈悲をください……ギャアア!!」
「溶ける!!顔が溶けるぅぅ!!」
兵士達はそれぞれの思いを口々に叫びながら為すすべなく異世界兵の持つククリナイフやレイピアで切りつけられ、怪異達に溶かされ、焼かれ、引き千切られ
バタバタと倒れていく。
「酷い……我が兵達がこんなにも無残に…」
デュランと兵士達は敵との余りの戦力格差におののき、逃げるべく後方に下がる。しかし自陣との中腹地点まで到達したところで何故か自陣に待機するように進軍していた友軍と鉢合わせした。
友軍の顔には焦りや恐怖が浮き出ており、中には鎧を脱ぎ捨て、何かから逃げてきたように息を咳切った者までいた。
「何故、貴様らがここにいる!?自陣で待つように言ったはずだ!!」
「そ……それが敵が我が陣に奇襲を仕掛けてきたのです!!陛下こそ、なぜこちらに!?」
(ま、まさか…!!!!)
デュランは自陣の方を見る。丘の向こうにある自陣からは赤赤とした煙が上がり、敵の「イーッ!」という奇声が聞こえてくる。
そしてデュランはやっとある事に気づいてしまった。
連合諸王国軍の兵士達全員が無意識のうちにこの中腹地点に追い立てられていることに。
(包囲しているのか!?奴ら、我々を殲滅するために!?!?)
そして後ろを振り向くと異世界兵の一部が何千人も奇声を上げながらデュラン達のいる方に向かって走ってくるのが見えた。
さらにその前には装甲に覆われた騎士らしき"異形"と赤い目とクリーム色の両生類のような"怪異"が先陣を切って行進していた。デュラン達は逃げようにも周囲を包囲されているため、逃げられなかった。
ズン……ズン……ズン………!!
ガシン!ガシン!グゥィィィーーン!!
まるで甲冑を着た騎士が歩くような音とモーターの駆動音のような音、そしてズン…ズンと力ず
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