間章
間章1 虜囚の嘆き
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し、連合諸王国軍をアルヌスとオ・ンドゥルゴを奪還すべく組織した。
異世界の歴史上、多国の軍が連合を組み、大軍を組織することなど異例中の異例であった。それだけに1箇所に30万もの軍勢がひしめく様は壮観の一言に尽きる。
「これはこれはデュラン殿。お久しぶりです」
「リィグゥ公か……久しぶりだな」
デュランに声をかけたのは同じく帝国の属国であるリィグゥ公国のリィグゥ公だ。
「敵はアルヌスとオ・ンドゥルゴの2箇所におり、両者共に陣を築き、そこに亀のように立て籠もって兵力を増強している様子。しかし我ら二十一ヶ国、三十万の連合諸王国軍がかかれば外鎧一触でしょう」
「リィグゥ公、戦場で楽観論は禁物ですぞ?ましてや敵は異世界軍。何をしてくるか分かりませんぞ」
「ハハ、これは手厳しい。さて、まずはどこから陥としますかな?」
「オ・ンドゥルゴからにしましょう。ここからならオ・ンドゥルゴの方が近いですからな」
「了解しました。我が国軍にもそう伝えます。では」
そう言ってリィグゥ公は自軍の方へ去って行った。だがデュランは疑問でしかなかった。
なぜ皇帝は連合諸王国軍などを招集したのかと―。
そして、その答えは後に判明することとなる。
「進めぇ!!!」
前衛の騎馬隊とゴブリンやオーク、歩兵の軍団が隊列を組んで前進を開始する。
やがてその軍団はオ・ンドゥルゴの丘の近くまで到達した。
後衛にいたデュランは自陣に近い高台のオ・ンドゥルゴが一望できる地点で待機させ、前衛の軍団を見下ろしていた。
そこへ前衛の軍団の伝令兵が報告にやって来た。
「報告!前衛のアルグナ王国軍、モゥドワン王国軍、リィグゥ公国軍、オ・ンドゥルゴへの前進を開始!」
「うむ、帝国軍とは合流できたか?」
「それが……帝国軍の姿が一兵も見えません!」
「何だと!?」
リィグゥ公らがいる前衛の軍団にも動揺が走る。本来ならここで帝国軍と合流している筈だったからだ。
「帝国軍はどこだ!?後衛すら残さぬとは……。まさか既に敗退して―。」
突然、「ドォォン!」という轟音や「パパパパ」という連続した音が鳴り響き、地面の土と共に生き残った連合諸王国軍の将兵達を文字通り、吹き飛ばし、なぎ倒す。
彼らは何が起こったか分からずにただ右往左往するしかできなかった。
その間にも爆発音と悲鳴がこだまする。もはや一方的な殺戮である。
「何だ!?敵の魔法攻撃か!?」
「こんな魔法、見たことがない!!敵の姿も見えておらんぞ!!」
「亀甲隊形だ!!はやく!!」
リィグゥ公の
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