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GATE ショッカー 彼の地にて、斯く戦えり
間章
間章1 虜囚の嘆き
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タと人が死ぬわけがない!!こんなところすぐに脱走してやる!!」


「やめとけ……逃げたとしてもすぐに捕まって拷問にかけられるぞ」



何人もの捕虜が脱走を試みたが徹底的な監視体制を敷いている収容所側の方が数枚も上手であり、すぐに捕らえられてしまう。捕まってしまえば火炙りや電流を流されるなどの徹底的な拷問を受けて牢屋に戻される。拷問する側もプロであり、簡単に死ねないように加減をしているので逆に収容者達の苦痛を煽っていた。
余りの拷問に耐えかねて舌を噛み切って自殺してしまった捕虜も出ていた。
 

「あんな拷問をされる位ならいっそ死んだ方がマシだ」
  

「クソ!クソ!異世界侵攻でおいしい思いができると思ったのに……こんなことなら帝国軍になんか入るんじゃなかった」

  
「歯向かっても余計な体力を使うだけだ。何も考えず与えられた仕事をこなした方が身のためだよ。たとえ明日、死ぬとしてもな」


そう言って2人の捕虜は再び黙って採掘を続けた。


そんな非人道的な扱いを受けているこの収容所の捕虜達の中にも例外が存在していた。それがBグループである。



「ショッカーか……よくあんな悪魔のような軍勢と戦って生き残れたものだ……」


そう言うのは帝国の属国、エルベ藩王国の国王、デュランである。同捕虜収容所の独房で鉄格子の窓越しに月を見上げながら呟く。今夜は半月であり、デュランにまるで戦に破れてしまった自分の心そのものを眺めているような気分にさせた。


彼のいるBグループは反抗的な者の中でも「貴族や王族の出身」と判断されたものが選ばれた。彼らは講話交渉や異世界征服計画においてショッカー側にとって『利用価値のある捕虜』であるため、ほぼ一日中、薄暗い独房で過ごす生活を強いられるだけで済んでいる。私的感情で拷問や暴行を加えようとする看守が後を絶たないという点さえ除けば命まで取られることはないため、Aグループとは天と地ほどの差があった。



デュランは右手と左足を失っていることから強制労働や人体実験のモルモットにも適さないので本来ならBグループ以前にガス室にいてもおかしくないのだが属国とはいえ国王という非常に高い身分にいる人間のため、戦後を見据えて生かされていたのだ。
 


「儂はあの猛攻を生き延びた……いや、生き延びてしまったというべきか」


ため息をつきながらデュランはここに至るまでの出来事を思い返す。







数か月前―。



「連合諸王国軍か………」


デュランは青銅の鎧に身を包み、軍馬の上から30万人もの大軍団を見下ろしていた。
日本世界とショッカー世界に侵攻したもすぐに敗退し、逆侵攻を受けた帝国 皇帝モルトは属国から招集
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