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『言霊使いと幻想郷』
第一話
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 幻想郷を作った……ということは。

「八雲さんは妖怪ですか?」

「えぇそうよ。スキマ妖怪よ」

 そう言って八雲さんは何も無いところからスキマを展開した。何か目がいっぱいだな。

「意外と便利そうですね」

「そうよ」

 八雲さんは笑う。

「あ、自分は八雲誠です。奇しくも八雲さんと名字は一緒です」

「あら奇遇ね」

「私ははくれいれいむだよ」

 れいむちゃんはニパァっと笑う。ものすごいっ可愛いです。

「宜しくね霊夢ちゃん」

「うん♪」

 ぁ〜ことはみたいに可愛いな。

「ところで、外の世界に戻る? 貴方は人間だし、この幻想郷だと人里にくらいにしか住めないわね」

 あ……そういや俺、ことはと一緒に堕とされたはずなのに暴れてない?

「八雲さん」

「紫ではいいわ」

「そうですか。では紫さん、自分がこの幻想郷に来た時、自分は暴れていましたか?」

「どうなの霊夢?」

「ううん。普通に境内に倒れていたよ」

 どうやら最初に俺を見つけたのは霊夢ちゃんのようだな。

「暴れているってどういう事なの?」

 ……まぁ紫さんも妖怪だし大丈夫か。

「実は自分、堕とされた人間なんです」

 そして俺は紫さんに説明する。堕とされた経緯、そして自分は堕とされたせいで半妖となった事を……。




「……成る程ね。その堕とされた力が貴方にあると」

「まぁそうですね。普通は比泉家の調律とかで祓われますけど」

 何で堕とされたままの暴れなかったんだ? まぁ考えても仕方ないかもな。

「なら一つ案はあるわ」

 紫さんは思い付いたようにぽんと手を叩いた。

「誠君は外の世界に帰りたいと思う?」

 外の世界……元の世界だよな。

「帰りたい……とは思わないですね」

 父さんと母さんは死に、孝之は生きているかもしれないが多分生きているだらう。でもことはが怖い。

 あの戦っている時、ことはの睨む視線が怖かった。冬に冷たい水を身体にかけられるような感じだ。

 例え、桜新町に戻っても俺達はぎくしゃくする関係になるだろうな。それならこの幻想郷にいる方がいいかもしれない。

「……分かった。でも寂しくなったら何時でも呼んでね。スキマで日帰りで届けるわ」

「ありがとうございます紫さん」

 俺は紫さんに頭を下げる。

「それでね誠君、霊夢と此処で暮らしてほしいのよ」





 ………は?









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