第18話 千堂の力 後編
[10/10]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
色々な感情や思いが駆け巡る。
「どうした?何で泣いてるんだ?もしかしてさっき俺が声を荒げてしまったのが聞こえたのか?もし、そうならすまない。」
泣いてる?言われてから目元を拭ってようやく気づいた。1度、気づいてしまうと堰切ったように涙が止まらなくなる。
「怖かったよな。あんな目にあって。もう2度とこんなことが起こらないように悪い奴は捕まえていく。だから、どうかこの世界のことを……ショッカーのことを嫌いにならないでくれ」
優しさの籠もったと同時に懇願するようなセンドウの声に余計に涙が出てくる。優しく頭を撫でる手にジンワリとした暖かみがあった。
「あ、ありがとう……助けに…来てくれて」
「ああ、どういたしまして」
やがてセンドウは立ち上がった。センドウにはそのつもりはないのかもしれないが、私にはセンドウが私達を置いてどこかに行ってしまう気がした。
そう思った私は大きな声で呼び止めた。
「ちょっと待って…!もう少し一緒にいてくれる?」
私の問いに千堂は少し、考えている様子で手を口元に当てて黙って立つ。そして?。
「門までな…基地内なら安全だ」
そう言って目深に被り直した千堂の口元は優しい微笑みを浮かべているかのように見えた。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ