第18話 千堂の力 後編
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や精神の許容量を大幅に越えてしまい、よくて『暴走状態』、最悪の場合は死に至る。
そのため、戦闘中といえどむやみやたらに能力を使うことができず、まっぱら肉弾戦となってしまうのである。
今回の場合は先程、クラゲウルフの能力を使ったのでそれ以外の能力を使うとなると残り2種類ということになる。
しかし、アングヴォルフにとって目の前にいる雑魚共は他の能力を使うまでもなかった。
ジロリとライアー・ドーパントの方を見る。ドーパントは思わず後ろ向きに倒れる。
「『ライアー』か……確か、相手に嘘を信じ込ませる能力だったな……」
だとすればロウリィを傷つけた張本人。
仇敵でも見つけたかのようにその腹に飛びかかった。
暴風を生み出しそうな勢いで千堂はライアー・ドーパントの顔面を容赦なく殴りつけ、頭を掴んで勢いよく地面に叩きつけた…電流を流しながら。
「ギャアアアアア!!!痛ァァ!!」
ライアー・ドーパントは激しい痛みに泣き叫ぶが千堂は無視し、さらに片足で頭を踏んで見動きを取れないようにする。それどころか踏みつけていた足を上げては何度も踏みつけた。
「安心しろ、お前もお前の部下も殺しはしない。ショッカー警察に引き渡さなければならないからな……だが異世界の少女を傷つけた罪、それだけはここで償ってもらおうか」
やがてぐったりとして動かなくなったライアー・ドーパントを担ぎ上げると、宙高くに放り投げた。
そして爪先に電流を溜め、ドーパントの方に向けた。
「……爆ぜろ」
千堂が静かに呟く。すると起こったのは―。
閃光―。
青白い稲妻がまるで意思を持ったかのようにライアー・ドーパントに直撃し、空中で爆ぜる。
ドォォォーーーン!!!
ドサッ!
隊長はメモリブレイクされて部下同様、固い地面に叩きつけられた。ピクピクと痙攣し、白目を向いて気絶している。
残りの不穏分子達は僅か10人ほどだった。頼みの綱である隊長やドーパント達が負けてしまい、絶望しているようにも見えた。彼らをキッと睨みつけるとその内の1人が恐怖に顔を歪ませながら叫んだ。
「何故だ!?何故、貴様らショッカーは俺達の意見を聞こうとしない!?何故、『自由』を求める俺達を一方的に弾圧するんだ!?」
「そうだ!俺達が悪いんじゃない!!俺達は改造人間の少数支配を変えようとしてるだけだ!人民の為なんだよ!!」
生き残るために、見逃してもらおうと不穏分子達は必死に目の前の狼男を説得しようとする。内心ではこんなことしても無駄なのは分かっていたが何もしないよりはマシだった。
しかし、アングヴォルフは怒りに拳をプルプルと震わせ、叫んだ。
「黙れぇぇ!!愚か者がぁ
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