第18話 千堂の力 後編
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加頭はレレイ達に駆け寄って縄を解いた。
「少しの間、目をつむって下さい。あと耳も塞いでいてください………危険ですから」
優しく諭すようや加頭の言葉にレレイ達は「分かった」と自由になった両手で耳を塞ぎ、ぎゅっと目をつむった。
千堂はそれをチラリと目をやって確認するとゆっくり息を吐くように不穏分子達に言った。
「全く……異世界の少女達でさえ偉大なるショッカーの思想や理想に感動したってのに……」
「お前ら不穏分子ときたら!!!」
軍服の男…千堂は怒りに顔を歪ませ、容赦のない視線を"敵"に向けた。
それと同時に周囲にただならぬ緊迫感と迫力を撒き散らした。
「大首領様のお作りになった平和で公正な世界秩序を破壊すべく暗躍し、そのために平和に暮らす人々を利用する!!」
千堂は両腕をクロスさせ、顔の前まで持ってきて目を強く瞑った。
そして―
「俺はそんなお前らを許さない!!!」
ドンッッ!!!!
目をカッと見開いてクロスしていた両腕を腰元までグッと引き、"リミッター"を解除する。
すると突如、発生した衝撃波が不穏分子(アンチショッカー同盟員)達を襲い、ズンと大気を震わせた。同時に千堂の身体をドス黒い黒雲のような靄がモクモクと包みこむ。
「変身ッ!!!」
稲妻の様な赤黒い閃光が靄の中で起こると、千堂の姿は変わり、黒い靄は晴れていく。
そこには"人間態"の千堂はいなかった。
不穏分子達は『白銀色の狼男』を見た。
それは素体となった『狼』の能力を十分に使う為のショッカー怪人としての恐ろしいまでのいかめしい姿。
狼男の象徴ともいえる鋭い犬歯を口から覗かせ、頑丈そうな全身の肉体を覆うのは銀色のゴワゴワとした固い毛。
右胸部にはショッカーのシンボルである鷲のマークが赤く彫られ、腰にはショッカー怪人であることを示す銀色の鷲のベルトをしていた。
そしてこの姿となった今、千堂印一という人間態の時の名前を一時的に捨てる。そして怪人態としての名前を名乗るのだ。
「平和を乱すその野望!偉大なる大首領様に代わって打ち砕く!!聞け!
我が名はアングヴォルフ!!偉大なるショッカーの秩序の守護者である!!」
千堂もといアングヴォルフは名乗り口上を上げると脚をドっと開いて目を見開き、獣の威嚇のような臨戦態勢を取る。
「う、うわぁぁぁぁ!!!」
恐慌状態になった不穏分子の1人が持っていた自動小銃を千堂に発砲する。
パパパパパパ!!!
全弾命中するもアングヴォルフはまるでポップコーンでも投げつけられているかのように全く動じない。
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